女子刑務所と男子刑務所の違いとは? 元女囚が語る、塀の中の「オンナ」と「オトコ」
覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。
受刑者は割り振られた番号で罪がわかる
ついこの間、「おめでとう」と言い合っていたのに、あっという間に1月ももうすぐ終わりですね。おめでたいといえば、懲役経験者なら知らない人はいない女性デュオのPaix2(ペペ)の「500回目の刑務所コンサート」がニュースになっていました。なんとボランティアでムショの慰問を20年も続けてるんですよ。私もムショで聴かせてもらいましたが、涙ぐんじゃう人も多いです。
500回おめでとうございます。これからもずっとムショで歌ってほしいです。
最近、ヤクザドラマ『日本統一』にハマっております。仕事や家事の合間にちょこちょこ見ている感じです。Wikipediaによると、「横浜出身の不良青年である氷室蓮司(本宮泰風)、田村悠人(山口祥行)が日本最大の任侠団体『侠和会』の盃を受け、会の発展と日本極道界統一を目指し奮闘する姿を描く」ドラマです。ゴリゴリのヤクザドラマで、ちょっと前に亡くなった梅宮辰夫さんが出演されてますし、去年のクリスマスに逮捕された国会議員の秋元司さんがなぜか「マル暴刑事」で出てたのも話題です。
秋元さんは「めっちゃ出たがってた」そうで、変わった方ですね。でもドラマはおもろくて、友だちや編集者さんにも勧めてます。テーマがテーマなので、ムショの場面も多いのですが、あらためて男子刑務所は女子刑務所とは違うなあと思うことがけっこうあります。
この『日本統一』にも出てきますが、男はムショに入ると、まず自分の所属する組と自分のポジションを明らかにします。昔の「お控えなすって」みたいな感じでしょうか。でも、女子は自分の夫や恋人の組織なんか言いませんし、むしろ言うたらバカにされる可能性が高いです。入る前はナニをしていたか、どんな事件を起こしたかとかも、クスリなどは言うこともありますが、殺人とかのコは黙っていますね。そのうち仲よくなったりすれば自分から言いますが、刑務官からの情報のほか「称呼番号」からもなんとなくわかります。
称呼番号とは、懲役(受刑者)全員に割り振られているマイナンバーみたいなもので、刑務官からは名前でなくこの番号で呼ばれるのがタテマエです。親しくなると名前でも呼ばれます。多分どこの女子刑も同じと思いますが、私がいた施設は、どこも1番から10番までの番号は殺人、100番までは長期、累犯は200番台、300番台は初犯とかに分かれていました。たまに「8番」とかが入ってくると、かなりざわつきますね(笑)。
ネット情報では、長野刑務所に務めていたホリエモンは755で、1000番台以降は懲役8年以上やそうで、これも女子刑とは違いますね。普通ならホリエモンみたいに「初犯でヤクザでもない短期の人」は栃木の黒羽刑務所とかPFI刑務所やと思うんですが、リアルヤクザもいる長野刑務所に送られるなんて、よっぽどホリエモンは検察官に嫌われてたんやなと思います。ゴーン元会長もそうですが、検察官はお金持ちが憎いのかもしれません。