まさかベッドルームが!

人気海外ドラマ『ダウントン・アビー』5つのトリビア! 映画版は世界興収200億円超え

2020/01/11 10:00
堀川樹里(ライター)

ベッドルームのセットはひとつだけで、使い回している:『ダウントン・アビー』トリビア2

 ハイクレア・カースルは、主に外観やダイニング・ホール、玄関にあたるエントランス・ホール、階段などが撮影に使われている。メンテナンスをして大切に使われているものの、厨房や使用人たちの部屋の状態はあまりよくなかったため、撮影には適さないと判断され、これらのシーンの撮影はロンドン西部にある「イーリング・スタジオ」(1902年設立)で行われているのだ。

 ドラマに登場するベッドルームのセットは実はひとつしかなく、同じベッドを登場人物によりデコレーションを変えて使い回している。同作の美術監督ドナル・ウッズはアメリカの番組の取材に対し、「ベッドルームの窓に注目してみれば、窓から見える景色が常に同じだと気づくでしょう」とコメントしている。

ナポレオン愛用の品々が!?:『ダウントン・アビー』トリビア3

 ハイクレア・カースルにはアンティーク家具がたくさんあるが、その中で最も歴史的価値が高いのは、音楽室にあるマホガニー製のデスクとイスだろう。フランス皇帝のナポレオン・ボナパルトが所有していたものだからだ。

 米アンティーク専門誌『Southeastern Antiquing and Collecting Magazine』の取材に応じた、8代目カーナーヴォン伯爵夫人フィオーナによると、デスクとイスはナポレオンが1821年に亡くなった後、3代目カーナーヴォン伯爵が購入。皇帝になる前の統領時代に、家具職人のジェイコブ兄弟がナポレオンのために作ったという。夫人は、ナポレオンが短期間だけ王宮として使っていたフランスのテュイルリー宮殿で、彼がこのイスの横に立っているスケッチを所有しているとのこと。

 ナポレオンはこのデスクとイスを最期を迎えたイギリス領セントヘレナ島の家ロングウッド・ハウスにも持っていき、亡くなるまで愛用していたそう。ナポレオンが退位文書に署名したのはこのデスクだという説もあるが、定かではない。夫人は「大切なものなので、撮影には使わせない」と笑っていた。


 ほかにも、バロックの期の画家アンソニー・ヴァン・ダイクの絵画や、5代目カーナーヴォン伯爵が古代エジプトのファラオ・ツタンカーメンの墓の発掘資金提供者だったことから、数多くの発掘品を所持しているそう。まさに“宝のお屋敷”なのである。

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