人気海外ドラマ『ダウントン・アビー』5つのトリビア! 映画版は世界興収200億円超え
英「ITV」局で2010~15年に6シーズンにわたって放送された、大ヒットドラマ『ダウントン・アビー』。イギリスの田園地帯に建つ大豪邸ダウントン・アビーに暮らす貴族クローリー家の面々と、使用人たちの日常を描いた作品だ。優雅な暮らしの裏に隠れた貴族たちの苦悩や、序列や階級制度に抑え込まれながらも使用人たちが心に秘めるプライドなど、人間描写が優れていることで人気を博した。
物語はフィクションだが、1912~25年に起きた事件や社会情勢を忠実に踏まえ、ストーリーは展開していく。タイタニック号沈没事故、第一次世界大戦、スペイン風邪など、歴史に詳しくない人でも知っているような大きな出来事が、イギリスの貴族や使用人にどのような影響を与えたのかがよくわかり、興味深いものになっている。世界中から愛されるドラマだったが、2015年に惜しまれつつ幕を閉じた。終了時、キャストも制作陣も「よいタイミングで終わることができた」と満足していたが、ファンの大きな期待を受け、ドラマの主要キャストたちが再集結した映画化が実現。
日本でも1月10日に公開された映画版の舞台は、ドラマの最終回から約2年後の1927年。英国王ジョージ5世と王妃メアリーがダウントン・アビーを訪問することになり、その準備を進める一家や使用人たちの間で起こる騒動を描いたもの。昨年9月に公開されたアメリカでのオープニング週末興収は3,100万ドル(約33億6,700万円)を記録。現時点(1月10日)の世界興収は1億9,000万ドル(約205億円)と、各国で大ヒットしている。米大手批評サイト「ロッテン・トマト」では批評家からの支持率84%、観客からの支持率は94%と高く評価されている。
昨年11月にはプロデューサーが映画版続編に向けた動きがあることを明かすなど、なにかと話題の『ダウントン・アビー』。今回は、そのドラマ版のトリビアをご紹介しよう。
「ダウントン・アビー」には住人がいる:『ダウントン・アビー』トリビア1
ダウントン・アビーのモデルとして撮影が行われている「ハイクレア・カースル」には、実際に人が住んでいる。カースル(キャッスル)とついているが、実際には城ではなく17世紀に建てられたカントリー・ハウスで、3代目カーナーヴォン伯爵が、英国会議事堂を手がけたチャールズ・バリーに設計を依頼したゴシック・リバイバル建築である。
代々、カーナーヴォン伯爵とその家族が暮らしており、現在は8代目が当主。第一次世界大戦中は負傷した兵士を治療する病院のような役割を果たし、第二次世界大戦中には貴族たちの疎開場所として邸宅の一部が使われていた。『ダウントン・アビー』以前にも映画やドラマの舞台として撮影場所を提供しており、映画『ラルフ一世はアメリカン』(91)、『ロビン・フッド』(91)、『アイズ ワイド シャット』(99)の撮影もここで行われた。
ハイクレア・カースルはイベントスペースとしても提供されており、200人までのゲストを迎えた挙式を行うことも可能。邸宅内を見て回るるガイドツアーも開催されている。