知られざる女子刑務所ライフ81

元女囚が教える「刑務所トリビア」――少年刑務所に「中年」がいる理由とは?

2019/12/29 16:00
中野瑠美改め瑠壬(作家)

ムショが満員の時は「二人独居」も

 前にも書いてますが、男子の刑務所は、犯罪傾向が進んでいる懲役(「累犯」ですね)と初犯のほか、刑期の長さなどで区分けがあります。でも、女子刑務所は人数が少ないので、累犯か初犯かで分ける程度で、キホン人殺しから万引常習犯まで一緒ですし、この区分もテキトーな印象があります。たとえば私が務めてた頃は、ムショは「定員オーバー時代」でした。「二人独居」(独居房に2人に収容)とか、日本語的にどうかと思うような処遇もアリでした。よく言えば「臨機応変」です。また、もともとは「無期懲役」を収容しない施設に無期がいてることもありました。とにかく満員やから、少しでもすいてる施設へ……ちゅうことですかね。

 なので、少年刑務所に中年がいてるのも、びっくりするようなことではないです。特に、今回亡くなった方は精神疾患ということですから、「リアルヤクザがいてる施設よりも、少年刑務所のほうがええかな」程度の判断やったかなと思います。

田代まさしさんは再び府中?

 今年は薬物がらみでいろんな芸能人が逮捕されましたね。ピエール瀧さんは初犯で実刑はセーフでしたが、エリカ様はどうでしょうか。そして、田代まさしさんはまた府中刑務所ですかね。1回目の収監は黒羽で、その次は府中でした。黒羽は初犯者で短期の刑が対象ですが、2022年に廃止が決まっていますから、また府中かと思います。今回は売人に声をかけられないように、独居で過ごしてほしいですね。

 さて、来年は誰が逮捕され(パクられ)るのでしょうか? ほんまにムショは行くところではないですよ。というわけで、今後も読者の皆様の参考になるような記事を、いろいろウォッチしてご紹介していきたいと思います。

 末筆ながら、今年も読者の皆様、サイゾーウーマン編集部の皆様には、本当にお世話になりました。この場をお借りして御礼を申し上げます。来年もがんばりますので、どうぞよろしくお願いします。よいお年をお迎えください。


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中野瑠美改め瑠壬(作家)

中野瑠美改め瑠壬(作家)

1972年大阪・堺市生まれ。覚せい剤取締法違反で4回逮捕され、合計12年の懲役を経験。出所後は、刑事収容施設への差し入れ代行業や収容者と家族の相談窓口などを行う。現在は堺市内で「Night Space祭」を経営。著書『女子刑務所ライフ』(イースト・プレス)がある。

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最終更新:2019/12/29 16:00
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