サイゾーウーマンコラム知られざる女子刑務所ライフ元女囚が考える薬物依存治療 コラム 知られざる女子刑務所ライフ80 元女囚が考える薬物依存治療――ダルクはもっと「経験者」の知恵を生かしてほしいです 2019/12/15 16:00 中野瑠美改め瑠壬(作家) 知られざる女子刑務所ライフ ダルクのスタッフ全員が「元薬物依存症」というわけではない 実は、私も本を出させていただいたせいか、ダルクともご縁があり、時々お話もさせていただいています。それで知ったのですが、ダルクのスタッフの方は全員が「元薬物依存症」というわけではないんですね。まあたしかに「全員が元ポン中」というわけにもいかないですかね(苦笑)。いろんな方がスタッフとして関わっていらっしゃるんですよ。 もちろん薬物依存になんかならないほうがいいに決まってますが、薬物依存のホンマの苦しさとかは、経験のない方にはわかりません。もっと「当事者」をたくさん入れて、意見を反映されたらどうですかね。たとえば私とかね(笑)。いつでも相談に乗りますよ。 ダルクは有名なんですから、知名度を生かして、いろいろできることはあると思います。あと、「薬物依存症」は、れっきとした病気です。田代さんもホンマ病気なんやなと思いました。治すには努力や根性だけではムリで、ちゃんと治療を受けることが大事です。 あとは、居場所や生きがいですね。私は守りたいものがたくさんあるので、なんとか立ち直れました。でも、田代さんみたいになってしまうと、家族や仕事があってもクスリをやめられません。ガチの「病気」やから。 とはいえ、病気を治すためのお医者さんが少ないのも問題やそうです。お医者さんもエリートやから「ポン中の治療」なんかしたくないんですね。気持ちはわかりますが、専門医の養成とか、ぜひ国家プロジェクトでお願いします。私もお手伝いしたいです。 中野瑠美(なかの・るみ) 1972年大阪・堺市生まれ。特技は料理。趣味はジェットスキーとゴルフ。『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)や『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)などへの出演でも注目を集める。経営するラウンジ「祭(まつり)」 ※この連載が本になりました! 『女子刑務所ライフ!』(イースト・プレス)発売中です。 前のページ12 中野瑠美改め瑠壬(作家) 1972年大阪・堺市生まれ。覚せい剤取締法違反で4回逮捕され、合計12年の懲役を経験。出所後は、刑事収容施設への差し入れ代行業や収容者と家族の相談窓口などを行う。現在は堺市内で「Night Space祭」を経営。著書『女子刑務所ライフ』(イースト・プレス)がある。 記事一覧 Instagram:@rumichibi1209 瑠壬公式YouTube 最終更新:2019/12/16 13:52 楽天 Yahoo セブンネット 女子刑務所ライフ! エリカ様も病院で治療中 関連記事 沢尻エリカもマーシーも「全裸検査」は通る道――元女囚が考える逮捕と留置場元女囚が考える、田代まさし「再逮捕」法務大臣「1週間で辞任」――懲役経験者だからわかること元女囚が「獄中で反省なんてムリ」と言うワケ――恨みやイジメが渦巻くムショの現実元女囚が考える「薬物中毒者の親」問題――米『セサミストリート』では子ども番組で依存症を語る時代に元女囚が考える元受刑者の就職――受刑者等専用求人誌『Chance!!』のすごいところ 次の記事 中学受験「算数」の落とし穴 >