不起訴の可能性も浮上

沢尻エリカ、尿検査「シロ」――「10年前から薬物使用」の自白を“覆す可能性”を弁護士が解説

2019/11/29 21:15
サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman
交際相手は完全黙秘しているみたいだけど

 11月16日、合成麻薬MDMAを所持していたとして、麻薬取締法違反容疑で逮捕された沢尻エリカ。2020年のNHK大河ドラマ『麒麟がくる』で、重要な役どころにキャスティングされるなど、名実ともに日本を代表する女優と言える沢尻の薬物逮捕は、世間を激震させた。

 2012年には「週刊文春」(文藝春秋)に大麻使用を詳報されていた沢尻だが、警察の取り調べに対して「(逮捕時に押収された)MDMAは数週間前にイベント会場でもらった。これまでに大麻やLSD、コカインも使った」「10年以上前から違法薬物に手を染めていた」という趣旨の供述をしているそう。ネット上では、その常習性の高さに驚きの声が上がっていたが、一転して、尿鑑定の結果は「陰性」に。毛髪鑑定も残されているものの、「不起訴になる可能性が出てきた」とにわかにささやかれるようになった。

 使用の供述はしているが、検査結果は「シロ」――そんな状況に対し、『バイキング』(フジテレビ系)のMC・坂上忍は、11月22日放送回で、今後、沢尻が供述を覆す可能性について言及し、「今までの供述を貫いてくれた方が」と語っていたが、果たして、供述の変更に見込みはあるのだろうか。弁護士法人ALG&Associatesの山岸純弁護士に話を聞いた。

自白だけでは有罪にならない

 尿検査「陰性」の一報が伝わった途端、「不起訴」の可能性が高まったと一斉に報じられるようになった沢尻。そもそも「不起訴」とはどういったものなのだろうか。

「不起訴とは、検察が刑事裁判を始めないことを言います。その理由としては『(1)そもそも罪が成立しなかった』『(2)罪は成立するけど、被疑者が高齢である、反省している、また被害額が少ないなどの点を考えた末、起訴しない』『(3)罪は成立するけど証拠が薄い』が挙げられます」


 沢尻は、10年以上前からさまざまな薬物を使用してきたと自白しているだけに、ネット上では「いくら検査がシロでも、不起訴にはならないのでは?」といった疑問の声も出ているが……。

「実は、刑事裁判では、『私は罪を犯しました』という本人の自白だけでは、有罪にはできません。刑事訴訟法319条2項『被告人は、公判廷における自白であると否とを問わず、その自白が自己に不利益な唯一の証拠である場合には、有罪とされない』とあります。昔々、捜査機関が、自白を得るために、逮捕した人物への拷問を繰り返したことがあったため、自白以外のほかの証拠がなければ有罪にはしません、というルールが確立したのです。なので、『使用した』という自白があっても、尿検査で陽性となるなどの『客観的証拠』がない限り、有罪にはできないのです」

ヘルタースケルター スペシャル・エディション<2枚組>