【ジャニーズJr.チャンネル便り】

Travis Japan・宮近の達観した「エンタメ論」、美 少年・佐藤がBTSダンス?【ジャニーズJr.チャンネル週報】

2019/11/03 21:00
中村チズ子

 ジャニーズ事務所が動画配信サイト・YouTubeに開設した「ジャニーズJr.チャンネル」。現在、Snow Man(水曜)Travis Japan(木曜)7 MEN 侍(金曜)美 少年(土曜)HiHi Jets(日曜)がオリジナル動画を投稿中だが、その出来ばえは実にさまざま。そこで、「しょせんジャニオタ向け」と切り捨てるにはもったいない動画と、「ジャニオタでもしんどい」動画をジャニーズウォッチャー・中村チズ子が解説&ツッコミ! 今回は、10月24日~30日公開の動画を注目度順に紹介します!

Travis Japan・宮近の“エンタメ論”が胸に突き刺さる

 Travis Japanの動画は通常分の「【赤裸々告白!】ジャニーズJr.ライブ&ドキュメントDVD『素顔4』発売記念インタビュー」(24日)と、プロモーションの「【俺は誰?】温活ゲームで体温上げまくれ !!」(28日)の2本が配信されている。1本目は、今年3月の『Travis Japan Concert 2019 ~ぷれぜんと~』(横浜アリーナ公演)と、『ジャニーズJr.8・8祭り ~東京ドームから始まる~』が収録されたDVD『素顔4』(2020年1月8日発売)に関する個別インタビュー映像。特に、SixTONES&Snow Manがデビュー決定を宣言した東京ドーム公演へのコメントは、Travis Japanならではの感想や本音が飛び出し、なかなか濃い内容となっている。

 この「Jr.チャンネル」始動時はSixTONES、Snow Man、Travis Japan、美 少年(当時は東京B少年)、HiHi Jetsの5グループだったが、世代的には前述の3組がお兄さん的な役割で、「スノストトラ」のくくりでも親しまれている。そんな関係性もあり、SixTONES&Snow Manのデビュー報告を受け、Travis Japanメンバーはもちろん、ファンも焦りや悔しさを感じずにはいられなかっただろう。発表後、Travis Japanらも合流して「FIRE BEAT」(Kis-My-Ft2の楽曲)を歌った際は、川島如恵留が涙を流す場面が会場のモニターに映り、大きな話題になった。

 その時の本人たちの心境はというと、宮近海斗は「“いかれたか”っていう部分はありましたね。Travis Japan、SixTONES、Snow Manっていう、3グループが横並びじゃないけど、横アリのコンサートだったり、イベントだったりとかやってて。1組がいくとかならまだ……2組って、僕ら、なんか取り残されているように見えるじゃないですか。っていうのはスゴい残酷だなって思いましたけど、残酷さもエンターテイメントになるし。ドラマになるから。やるじゃねぇか、やるなぁっていう……」と、正直な思いを吐露している。


 コンサートから少し日数がたっているため、気持ちの整理がついたのかもしれないが、あの日の感情を「残酷さもエンターテイメント」だと受け入れるまでに、一体どれぐらいの時間がかかったのだろうか。達観したような口ぶりの中でも、「やるじゃねぇか、やるなぁ」といったやる気に満ちた表現にドキッとさせられた視聴者も多いはずだ。このほか、「やっぱめちゃくちゃ悔しくて。一気に言葉が出なくなった」「楽しくコンサートしてるけど、自然と悔し涙が出てくるみたいな」(七五三掛龍也)「悔しいっていう気持ちがやっぱり一番大きかったのかなっていうのは。デビューをしていく仲間に対して、悔しいと思ったんじゃなくて、『おめでとう』ってあの瞬間に声に出して言えるぐらいの度量がまだ僕たちには足りなかった。僕たちっていうと、あれですけど、僕には少し足りなくて。メンバーに対して、その瞬間はとても申し訳なくなった」(川島)と、複雑な胸中を打ち明けている。

 さらに、松田元太は「めちゃくちゃ泣きましたね。なんか、勝手に涙が出てきて。俺と如恵留だけがめっちゃ泣いてて。(吉澤)閑也、普通にあぐらかいてヘアセットしてるんですよ。わかんないんですけど、ひっぱたこうかなと思っちゃったぐらい、ホントにスゴい、全然違くて」と、吉澤との温度差に言及。名指しされた吉澤自身は「スゴい悔しかったんですけど。その悔しさが、泣くことによって気持ちが納まっちゃうんじゃないかなって、自分の中で思ってて。悔しいからこそ、努力しなきゃいけないし、自分たちのスキルをもっと上げなきゃいけないと思うんで」と、すぐさま“デビューの切符を掴めなかった=自分たちの力不足”と痛感した様子。

 続けて、「自分にできることってなんだろうなって思った時に、メンバーのケアとか、そういうのができたらなと思ってたんで。それこそ、元太の近くにいてあげたりっていうのもあったんですけど」とも語っており、“かなり大人”な考え方を示していた。こういった場面で、「悔しい、悲しい」という感情が前面に出てくるのは仕方のないことだが、瞬時に周りを気にかけてあげられる優しさや余裕のある吉澤は、グループにとって貴重な存在だろう。どちらかと言えば、松倉海斗も切り替えが早い方なのか、「そこまで、悔しいとかよりかは、僕らにもまだ足りてないところがあるんだろうなっていうのはあって。俺ら、Travis Japanはこうだ! っていうのを自信がまだないのかなって思って。それに気づけた」と、前向きな言葉を発している。

 そして、中村海人も「ジャニーさん(ジャニー喜多川前社長)がよく言ってたんですけど、一番初めに舞台出た時に、その舞台がスゴいつらかったんですね。そこで僕、泣いちゃったんですね。感極まって。それをジャニーさんに会った時に話したら、『それは情けないよ』って。『ステージ上で泣く時は、引退する時ぐらいだから、そんなすぐに泣いたら、その涙はもったいないよ』って言われたのをスゴい覚えてて。泣く……だったら、もっと強い気持ちでやろうって思います」と、恩人である故・ジャニー前社長の思い出を含めて、毅然とした態度で話している。ちなみに、7人はほぼノーメイクなのか、アップが多いこともあって、いつもよりホクロや肌の赤みなどもバッチリ見えていた。


 2本目は、マルハニチロ株式会社の冷凍食品「横浜あんかけラーメン」「五目あんかけ焼そば」とのコラボ動画。商品を食べた後に2チームに分かれて“温活”し、体温が上昇した方が勝ちというゲーム企画だ。検温によって7人の平熱が知れる(マニアックだが一定数のファンには需要がある)ほか、概要欄に「Travis JapanのYouTube史上最も記憶に残るカオスっぷり」と書かれている通り、現場はしっちゃかめっちゃかで散らかり放題。アイテムを使って体温を上げる10分間の温活タイムにて、七五三掛、松倉、松田、宮近が全身タイツ姿を披露し、川島は一心不乱にバク転している(食後なのに)。

 大暴れした後も、最終的に松倉、松田、宮近は両胸や股間にホッカイロを貼る悪ふざけ。普段の動画に比べて自由度が高い撮影だっただけに、特に松田は大いに楽しんだようだ。エンディングでは、全身タイツ組らが遊ぶ中、一人で寝具をたたむ真面目な吉澤にも注目してほしい。1本目のインタビューで出た「メンバーのケア」発言を踏まえて見ると、こういうふとしたシーンでも吉澤の気配り、フォロー力が感じられる一幕だった。ちなみにJr.公式エンタメサイト・ISLAND TVの動画「松倉海斗、宮近海斗、七五三掛龍也『全身タイツマン①』」だと、川島がメンバーを優しく見守りつつ羽織を片付ける姿が映り込んでいた。再生回数は1本目が31万台、2本目は25万台(11月1日時点)。

エンタテイナーの条件 カバーA 堂本光一/著