サイゾーウーマンコラムオンナ万引きGメン日誌鬼嫁にブチギレられた“万引き老婆 コラム 【連載】オンナ万引きGメン日誌 「このくそババア!」鬼嫁にブチギレられた“万引き老婆”……Gメンとの再会で恨み節炸裂!! 2019/10/26 16:00 澄江 オンナ万引きGメン日誌 こんにちは、保安員の澄江です。 いままで多くの万引き犯を捕まえてきた私ですが、印象深い被疑者や現在取り扱っている常習者を除いては、そのほとんどを記憶に残していません。日々、さまざまな土地の現場を巡回しているので、自分の手で捕まえた犯人はおろか、お店や警察の担当者の顔を覚えるだけでも大変なのです。年齢のせいか、最近は記憶力が低下したのか、日常生活における物忘れも増えてきました。「貯金」(限りなく被疑者に近い不審者のこと)に対する反応も鈍くなってきており、犯行の瞬間を記憶するので精一杯の状況のようにも思えます。年を追うごとに視力も悪くなっているので、確実な現認が取れなくなった時が引退するときだと、心に決めている次第です。 しかし、捕まえられた側からすれば、私の顔は忘れられないのでしょう。私の声かけをきっかけに、多額の罰金を支払ったり、刑務所に行くことになった人などは、なおさらのこと。なかには報復願望を持たれている方もおられるようで、過去には捕捉現場となった店舗内で捜索され、追い回してくる人もいました。今回は、拘置所から出てきた被疑者との望まぬ再会について、お話ししていきたいと思います。 「あら、あなた。こんなところで会えるとは思わなかったわ……」 うっかり体調を崩してしまい、かかりつけの病院で診察を受けるべく待合室で待機していると、見知らぬ老婆から声をかけられました。あまりに痩せ細った体は、骨と皮だけで構成されているような雰囲気で、全体的に鳥をイメージさせます。 (見たことある人のような気もするけど、誰だっけ……) 痩せこけた「湯ばあば」のように微笑む老婆を前に、愛想笑いを浮かべて記憶を辿ってみますが、まるで思い当たりません。すると、全てを察したらしい老婆は、いやらしくほくそ笑みながら言いました。 「あんた、まだ、あのスーパーでやっているのかい?」 「え?」 鼻を掻きながら上目使いに言う老婆の顔は、憎悪に満ち溢れている感じで、背筋に悪寒が走ります。魔女のように尖った鼻を掻く老婆の皮張った手と、馴染み深い現場の店名をヒントに記憶を辿ってまもなく、この老婆が事務室で大声を出しているシーンを鮮明に思い出しました。 次のページ 「あたしは上客なんだよ」不遜な態度の老婆 1234次のページ 楽天 万引き家族 関連記事 フードコートに巣食う「万引き老女グループ」の実態! まるで「鬼婆」――Gメンも恐怖!母親の万引きに利用された幼女――店長とGメンの心を揺さぶった「純真無垢」な言葉鮮魚チーフは弁当泥棒、それでも店長は見て見ぬ振り……Gメンが地団駄を踏んだ「内引き」事件91歳の万引き犯が、店長の葬儀に――Gメンが言葉を失った「塩辛泥棒」の切ない思い出板野友美似の美少女万引き犯に、店長デレデレで「警察呼ばなくていい」――保安員が見た顛末