ダイエットに無意味!? ジムで見かける「間違った筋トレ/運動」をする人をプロトレーナー・腹筋王子が指摘
ダイエット目的でフィットネスジムに通っているという人も多い昨今。専属トレーナーの管理の下、体づくりに勤しむ人もいる一方、自己流でトレーニングに励んではいるものの、「効果をあまり実感できない」「なんとなく運動しているだけ」という人も少なくないのではないか。特に「自由な時間に利用ができる上に、手ごろな定額制」という理由で、最近人気がある24時間制ジムの利用者は、こうした状態に陥りやすいと考えられる。
そこで今回、そんなトレーニング初心者やこれからジムでダイエットを始めようと考えている人に向けて、「腹筋インストラクター」として知られる“腹筋王子”カツオさんに「ジムで見かける『意味のない運動』をするダイエッターたち」の問題点をズバリ指摘してもらった。併せて、美しく均整の取れた筋肉の持ち主で、なんと体脂肪率は7パーセントというカツオさんによる「間違った腹筋」「正しい腹筋」の仕方も紹介する。
「トレーニングの原理・原則」を知らないとアウト?
まずトレーニングの効果を出すためには、「トレーニングの原理・原則」に沿ったトレーニングをすることが大事。この原理・原則から外れると、基本的に、「間違ったトレーニング」につながります。ちなみに、この原理・原則は、僕が出身校の国立鹿屋体育大学で最初に習ったことでもあります。
【原理】
・特異性の原理
トレーニングの種類によって鍛えられる機能は異なる
→例えば、「長い距離を走りきれるような心肺持久力をつけたいから、体を大きくするようなトレーニングをしています」というのは何か違うと感じるでしょう。メリハリのある体を作りたいのに、有酸素運動しか行わないなども同じことが言えます。目的に沿っていないトレーニングをするのはあまり意味がありません。
・過負荷の原理(オーバーロードの原理)
ある器官の機能をより発達させるには、日常レベル以上にその器官を使う必要がある
→同じ負荷でトレーニングを繰り返していては、筋肉はある程度は強化されても、その負荷をかけた以上の効果は認められません。負荷をかけないかたちでのエクササイズ(特に二の腕などの末端部)をずっと繰り返していてもあまり意味がないのです。
・可逆性の原理
トレーニングをやめると元に戻る
→トレーニングは続けていかなければならず、そこに「終わり」はないのです。ある一定の期間だけ火がついたようにトレーニングをして、そしてまたある期間は燃え尽きたようにまったくトレーニングをしなくなる……その繰り返しでは、あまり意味がありません。
【原則】
・全面性の原則
全身のバランスがとれるようにトレーニングを行う
→気になる箇所だけ部分的に鍛えるのはNG!
・意識性の原則
その運動が体にどのような影響を与え、どのような効果が期待できるのかをしっかり意識する
→トレーニング時の筋肉の位置をイメージすること、またトレーニングプランを作ることだけでなく、この運動は「何のため」のものなのかといったことも、しっかり意識しましょう。そうすることで、“なんとなく運動しているだけ”となるのを防ぐことができます。
・漸進性の原則
トレーニングの質・量を上げていく
→ずっと同じ質・量のトレーニングをしていても、それ以上の効果は期待できません。トレーニング時はこれをしっかりと意識し、”なんとなく運動している”状態にならないようにしたいものです。
・反復性の原則
トレーニングは反復して行うことによって、初めて効果が出るもの
→トレーニング自体を1セットやって終わりにするのではなくて、2セット、3セットと繰り返し行うと効果的です。また、トレーニングは散発的、またはある一定の期間だけ集中的に行うのではなく、定期的に行うべきと言えます。
・個別性の原則
年齢や性別、スタート時の体形などでトレーニング内容を決める
→例えば、「体脂肪20%と30%の人」では、必要なトレーニングも変わってきます。はやりなどに流されず、自分に合ったトレーニングを作成していきたいものです。
「意味のない運動」をするダイエッター6例
1.「部分痩せ」したい箇所ばかりトレーニングする人
ある器官の機能をより発達させるには、日常レベル以上にその器官を使う必要がある
→同じ負荷でトレーニングを繰り返していては、筋肉はある程度は強化されても、その負荷をかけた以上の効果は認められません。負荷をかけないかたちでのエクササイズ(特に二の腕などの末端部)をずっと繰り返していてもあまり意味がないのです。
・可逆性の原理
トレーニングをやめると元に戻る
→トレーニングは続けていかなければならず、そこに「終わり」はないのです。ある一定の期間だけ火がついたようにトレーニングをして、そしてまたある期間は燃え尽きたようにまったくトレーニングをしなくなる……その繰り返しでは、あまり意味がありません。
・全面性の原則
全身のバランスがとれるようにトレーニングを行う
→気になる箇所だけ部分的に鍛えるのはNG!
・意識性の原則
その運動が体にどのような影響を与え、どのような効果が期待できるのかをしっかり意識する
→トレーニング時の筋肉の位置をイメージすること、またトレーニングプランを作ることだけでなく、この運動は「何のため」のものなのかといったことも、しっかり意識しましょう。そうすることで、“なんとなく運動しているだけ”となるのを防ぐことができます。
・漸進性の原則
トレーニングの質・量を上げていく
→ずっと同じ質・量のトレーニングをしていても、それ以上の効果は期待できません。トレーニング時はこれをしっかりと意識し、”なんとなく運動している”状態にならないようにしたいものです。
・反復性の原則
トレーニングは反復して行うことによって、初めて効果が出るもの
→トレーニング自体を1セットやって終わりにするのではなくて、2セット、3セットと繰り返し行うと効果的です。また、トレーニングは散発的、またはある一定の期間だけ集中的に行うのではなく、定期的に行うべきと言えます。
・個別性の原則
年齢や性別、スタート時の体形などでトレーニング内容を決める
→例えば、「体脂肪20%と30%の人」では、必要なトレーニングも変わってきます。はやりなどに流されず、自分に合ったトレーニングを作成していきたいものです。
例えば「二の腕を引き締めたい」という人が、二の腕のトレーニングばかりするケースがありますが、間違いではないものの、これは「全面性の原則」に反しています。また、部分的なトレーニングばかりしている上に、効果のない運動をしている人も。引き締めるためには、どこの位置の筋肉が縮まっているのかイメージを持つとよいのですが、そのイメージと動きが一致していないトレーニング(二の腕のトレーニングなのに胸のトレーニングをしている)をしていたり……。全身バランスよく、かつ正しいイメージを持ってトレーニングすることが大切です。
2.太ももやふくらはぎなど……「下半身痩せ」したいのに筋トレを拒む人
「下半身痩せしたいけれど、逆に脚が太くなりそうだから筋トレはしない」と言う人がよくいますが、それはNG。恐らく「痩せる」というイメージが漠然としているがゆえに、こうした考えに至るのでしょうが、本来「痩せる」とは、筋肉を残して脂肪を落とすことを指し、それには、脂肪を落とすような食事をするのと「筋トレ」が必要。筋肉に刺激を与えないと、引き締まった脚にはならないんです。効果的なやり方は、低負荷によるトレーニングを繰り返し、たくさん行うこと。例えば、100回、もしくは50回×3セットなど、超高回数行うなどです。たくさん筋トレをやると、血流が促されますし、有酸素運動的な効果も期待できるので、下半身痩せにつながることでしょう。
3.「痩せたい」のに、ひたすらランニングマシンで走っているだけの人
ランニングマシンでずっと走っている人をよく見かけます。心肺機能を高めたい場合は効果的ではあるものの、「痩せること」を考えると、ちょっともったいない気がしますね。確かに、有酸素運動では体重を落とすことができます。しかし“引き締まった”ではなく“やせ細った”体になってしまいます。全身に刺激を与えられるような、筋トレも追加していけるといいです。
ランニングなどの有酸素運動は、あくまで、痩せるための一つの「手段」として用いるといいと思います。筋トレをすると、脂肪が分解されるのですが、その分解された脂肪を有酸素運動ではエネルギーとして使ってくれます。うまく利用することで、痩せることにつながるでしょう。
4.ダイエット効果が欲しいのにストレッチばかりする人
意外に、痩せると思い込み、ジムでストレッチを一生懸命やっている人がいます。しかしどれだけ一生懸命やっていても、負荷が弱すぎるので、ダイエットとしては効果はあまり期待できません。血流は良くなりますし、もちろん大事ではありますが、それだけではなく、やはり筋トレと有酸素運動も取り入れてほしいですね。
5.十分な回数をこなさず、筋トレを1セットだけやって終える人
筋トレを1セットだけで、しかも十分な負荷をかけきらずに終えてしまうのはNGです。登山に例えるなら、山の頂上まで行かずに下山してしまうようなもの。ぜひ2セット、3セットは行ってもらいたいですね。逆に、登りきった後にずっとトレーニングをやり続けるのも、疲労がたまるだけ。ちょうど頂上、もうこれ以上、負荷をかけられないというところまで行ってOKとしたいものです。
また、ジムにあるいくつかのマシンを順々に使っていく場合、ダイエット目的であれば、それぞれのマシンで筋トレを「1セットずつ行い、3周する」より、「3セットずつ行い、1周で終える」方が効果的です。「1セットずつ行い、3周する」というサーキット形式でのやり方は、心肺機能や筋持久力を上げたい場合にはいいと思います。
6.ジムに通うのが週1だけという低頻度、もしくは週3以上の高頻度な人
トレーニングは、低頻度で長時間行うより、短い時間でも集中して行う方が効率は良いです。週2回のトレーニングの効果を「100」とすると、週1回は「75」程度。週3回同じ部位をトレーニングする場合も、週2回に比べると、その効果は「75」ほどという調査結果もあるんです。なので、やりすぎるのもオススメしませんね。
ただ、「忙しいので、仕事帰りに週1回ペースしか無理」という方も多いと思います。その場合は、「大きな筋肉」を意識したトレーニングがオススメ。それプラス、二の腕など自分が引き締めたいところを狙ってトレーニングする。滞在時間が限られてる場合、ジムではランニングマシンを使わず、帰宅時に歩くなどして、効率よくトレーニングしてください。
間違った「腹筋トレーニング」に喝! 腹筋の効果的な鍛え方とは?
ちなみに、腹筋運動(腹直筋のトレーニング)に関しても、間違った方法で何百回もやっている人が結構いるんですよ! 腹筋ってそもそも「骨盤と肋骨の間を縮める」という動きなのですが、それをわかっておらず、頭や首を動かしているだけの人も。どこの筋肉をどう縮めるのかをしっかりイメージして行わないと、何回やっても効果はありません【写真1、2参照】。
また、女性だと、くびれをつくりたいという人も多いと思いますが、その場合、腹筋だけに精を出してもあまり意味がなく、脇腹とおなかの奥の筋肉を鍛えるべきです。むしろ腹筋はおまけ程度でOK。脇腹を鍛えるには、脇腹を上部と下部に分け、特に上部を中心に鍛えるといいでしょう。脇腹上部のトレーニングは、上体をひねるという動きが筋肉の付き方からみて向いています【写真3、4参照】。
さらに、脇腹の上部の効果的なトレーニングとしてろっ骨を狭めるような動きがおすすめです。腕で体を支えるというかたちは脇腹の活動量をあげますので、腕で体を支えながらろっ骨を狭めるような上下運動を行ってトレーニングするといいでしょう【写真5、6参照】。
おなかの奥の筋肉は、息を吐いておなかをへこますことを基本とします。その際のポイントは、おなかの「表面」の筋肉をやわらかいままの状態で行うこと。これができていると、おなかの奥の筋肉を使えている状態となります。自分でおなかを触りながらチェックしてみてください。慣れたら、座った状態、立った状態、そして、つま先立ち姿勢というかたちで行ってみるといいでしょう。そうすることで、おなかの奥の筋肉の活動量を上げることができますよ【写真7参照】。
筋トレ・ジム通い・ダイエットのモチベーションを保つには?
ジムに通い続けるためには、どのようにモチベーションを保つかが重要になってきます。みなさん、スタートダッシュのように入会した時だけ一生懸命通っても、だんだんとジムから足が遠のいてしまった経験があるのではないでしょうか。
ダイエット目的だったら、簡単な「目的」を設定した方がいいです。「5キロ痩せる」より、「〇〇のために痩せる」という方が、モチベーションを保ちやすい気がします。結婚式などイベントを控えている方の多くがダイエットに成功されるように。
結婚式のような大きなイベントではなくても、「水着を着るために」とか、「このワンピースを着るために」とか、自分で小さなイベントを設定して、それをクリアしていく。クリアしたら、また新たな目的を設定してクリアを目指す。その繰り返し。トレーニングが、歯磨きと同じような「習慣」になったらこっちのものです。でも、そこまでいくのがなかなか大変なんですけどね(笑)。
腹筋王子カツオ(ふっきんおうじ・かつお)
鹿屋体育大学 体育学部卒業。2009~13年、ディズニーランドステージショーに出演。その後、カポエイラインストラクターとして活動。現在はゴールドジムを中心としたスタジオなどで腹筋クラスを行うほか、フィットネス企業での腹筋の相談役などを務め、腹筋で生活をしている。腹筋に関する研究論文からヒントを得て、自ら腹筋メニューを作成。笑顔でパワフルなレッスンは高く評価されている。
公式ブログ
————————————————————
◎取材協力
【FitBox】PRIVATE GYM SHARING
2019年、東京・池袋にオープンした個室ジムシェアリング施設。
セッション利用のパーソナルトレーナーや、パワーラックを独占使用したい個人トレーニーを中心に会員を増やしている。基本料金は1人1時間800円。経験や資格のあるトレーナーは「登録トレーナー制度」を利用することで、何名入室でも1時間800円で利用できる。
最新情報はTwitterから
FitBoxが運営する筋トレ情報メディア「筋トレしようぜ!」も毎日更新中
https://biz-journal.jp/fitness/
————————————————————