天皇に寵愛された、いわくつきの“養女”――66歳と18歳の知られざる関係【日本のアウト皇室史】
―――資料によると、さらにびっくりな「事実」があるんですよね。璋子ちゃんに固執する一方、白河法皇は彼女の“幸せな結婚”ものぞんでいて、自分の孫で、後に鳥羽天皇となる皇子と璋子を結婚させています。しかし、璋子は結婚後も、夫と寝所をともにすることを拒み続けたという記録があるのですが、もしかして“おじいさん好き”だったとか?
堀江 そう! ていうか、璋子と白河法皇の関係は知れ渡っていて、白河法皇が正式に璋子と結婚させようとした相手から「ボクは彼女と結婚したくない」と断わられたりもしています。実際には、鴨川の水や僧兵以外にも、意のままにならないことがたくさんあったんですね(笑)。その一番が璋子だったのかも。
さて、璋子は崇徳天皇“とも”仲良くなり、崇徳天皇となる皇子を産みます。ですが、その父親は鳥羽天皇ではなく、“白河法皇”であるという説があるのです。これは同時代から囁かれていました。昭和時代に角田文衛という大学者が、璋子の「生理周期」を彼女の侍女の書いた記録から計算したところ、オギノ式でいう危険日に白河法皇と璋子は会っていた……。しかもその頃は、夫・鳥羽天皇とはほとんど会ってもいなかったということもわかっています。この時、璋子18歳。白河法皇66歳。ティーンの美少女から恋い慕われて、れっきとした恋愛が出来る「魔性のおじいちゃん」って、現代でもなかなかいませんよねぇ。
―――芸能人でたとえると、66歳の男性は吉幾三や水谷豊。18歳の美少女は浜辺美波ちゃん。ちょっと、想像するのはやめておきます……。話は戻りますが、璋子の夫はどういう反応を?
堀江 2012年NHK大河ドラマ『平清盛』では、伊東四朗演じる“タフマン”白河法皇に、檀れい演じる璋子が抱かれるというシーンが描かれましたが、ネット上では「こんなこと、描いてはいけない!」と主に政治的意識の高い方々による怒りの声が聞こえたとか。
当然、璋子の夫・鳥羽天皇は反感を抱いたものの、史実でいうと“嫉妬”からくる具体的な言動や、白河法皇に当ったというような話はないようです……。鳥羽天皇も、一番エラい人が白河法皇であることがわかっており、彼に愛されなくてはなにも自分はできないと悟っていたからかも。
あとね、璋子からすると、鳥羽からも白河からも愛されちゃう、モテる自分最高! みたいな感じで、名誉に思っていたのかもしれませんね。その後も彼女は自分自身に満足しており、気も強いんです。