「ViVi」自民党企画が波紋――軍地彩弓氏が語る「もし私が女性ファッション誌で政治を扱うなら」
「わたしたちの時代がやってくる!権利平等、動物保護、文化共生。みんなはどんな世の中にしたい?【PR】」
講談社の女性ファッション誌「ViVi」が6月11日、ウェブでこんなタイトルの記事を配信した。ViVigirl9人が、「どんな世の中にしたいってある?」という問いに対して、それぞれ「Be Happy ハッピーに生きていける社会にしたい」「Express Yourself 自分らしくいられる世界にしたい」などと、思いを語っているのだが、実はこの記事、自由民主党とのタイアップ企画。記事最下部に、ViVigirlのメッセージ入りTシャツのプレゼントが告知され、そこには「どんな世の中にしたいか、自分の気持ちをという思いを#自民党2019 #メッセージTシャツプレゼントの二つのハッシュタグをつけてTwitterもしくはInstagramに投稿してね」と応募詳細が掲載されていた。
女性ファッション誌と政治――この2つを「相容れないもの」と見る人もいるかもしれないが、ここ数年、女性ファッション誌が政治を取り上げることは徐々に珍しくなくなり、誌面に「憲法改正」「特定秘密保護法」「参院選」などの言葉が散見されるようになっている。しかし、今回の「ViVi」の自民党タイアップは、「特定の政党」の「広告」という点で、先に挙げた企画とは明らかに一線を画しているだろう。ネット上には「特定の政党からお金をもらって記事を作るのはちょっと……」「自民党がどういった政党なのか一切説明しないまま、『Tシャツプレゼント』で自民党をPRするってどうなの」「何だか読者層の若い女性をバカにしているようにも見える」などと “モヤモヤ”を抱える人が続出。そんな中、いち早くこのタイアップ企画に「おかしい!」と声を上げたのが、かつて「ViVi」に編集スタッフとして携わっていたこともある、編集者でファッション・クリエイティブ・ディレクターの軍地彩弓氏だ。
軍地氏は同13日、ニュースサイト「HUFF POST」に、「ViViの自民党キャンペーン『#自民党2019』は、読者への裏切りではないのか。 元編集スタッフの私が感じたモヤモヤ。」という記事を寄稿。「ファション雑誌が政治について語ることは大賛成」としつつも、自民党のタイアップ企画は「参院選前のこの時期に、読者にバイアスをかけてしまう」と問題視し、さらに「ViVi」ひいては講談社が、読者や社会に対して、この記事を配信したことの “説明責任”を果たせていない点を厳しく指摘したのだ。
同記事は、SNSで爆発的に拡散され、あらためて「ViVi」の自民党タイアップの問題点が議論されるとともに、「女性ファッション誌が政治を取り上げること」そのものは賛同できるという声も散見されるようになっている。そこで今回、軍地氏に「もし20代女性ファッション誌で政治を取り上げるなら……」というテーマで話をお聞きした。