[女性誌速攻レビュー]「Seventeen」7月号

経験人数200人超えの高校生ヤリチンが、童貞の悩み相談! 「Seventeen」男子企画はどう読むべき?

2019/06/23 16:00
藤本なつき

経験人数200人のヤリチン、童貞に的外れのドヤ顔アドバイス

 次に見ていくのは「ラブからエロまで……おバカでかわいいメンズのこと、ネホハホ‼︎ 男子の脳内☆解体新書」。現役の男子高校生が登場して、彼らのLINEのスクリーンショットを公表したり、妄想キスシチュエーションを紹介しているほか、童貞とチャラ男のクロストークも行うなど、計12のコーナーで男子を丸裸にしていきます。しかし、ここに掲載されている内容は、“ド”が付くほどの下ネタばかり……。わかってはいましたが、どうやら男子高校生の頭の中は、「エロ」と「女子」でいっぱいのようです。

 例えば、男子高校生たちが自分の脳内グラフを直筆で作成するコーナー「オレらの脳内解析」を見ると、エロいことと女子のことが脳内の80%を占める男子が多数。そのほか、男子高校生たちのLINEのスクリーショットが12枚も載っている「リアルな会話が知りたい! 男子のLINE覗き見!!」を見ると、「おはようさん!」に「ま○こっち」と、唐突に女性器名を返信しているのです! いくら思春期真っ只中の男子とはいえ強烈で、筆者苦笑です。人のLINEなんて、芸能人の不倫報道があった時の週刊誌ぐらいでしか見ませんが、男子高校生ってなかなか下品なんですね……。

 そんな「エロ」と「女子」の話題が飛び交う中、最も目を引いたのが「童貞×チャラ男クロストーク」というコーナー。高3にして経験人数200人弱と100人弱というチャラ男チーム、童貞の高校1年生2名の童貞チームが、トークを展開していきます。チャラ男Aは中1で童貞を捨てたといい、高校に入学後、友達と経験人数を競ってヤリまくるようになったとのこと。そのことを全部知っている親からは「止めないから、避妊だけはしなさい」と言われているそうですが、さすがに親御さんも「人数を競う」ことは注意した方がいいと思ってしまいました。

 ヤリチンが童貞に対して上から目線なのも気になります。キスをしたことがない童貞2人に「君たちは(彼女を)大切にしてるつもりでも、『自分に魅力がないのかな』って悩んでるかもよ?」とおせっかいなことを言うのです! さらにヤリチンは「首に手を添えるといいらしいよ。エロくなるツボが刺激される」などとアドバイスを送るのですが、性感帯は“人それぞれ”では? とつっこまずにはいられません。

 一方、こんなヤリチンに触発されたのか、童貞たちも「どうやったらモテますか?」なんて質問をする始末。ヤリチンは「手軽に出会いを探すならSNSだね。とくに動画系」と言い、好きなタイプをこまめにプロフィールに書くと、相手からDMが来るなどと回答していました。ヤリチンは自慢気に語っていますが、ST読者世代の女子たちがドン引きするであろうことに気が付かないのでしょうか。このヤリチンたちは、確かに性体験は多いものの、やみくもに性行為の相手を見つけているだけのようですし、“モテ”とまた別の話だと思ってしまいました。


 とにもかくにも、この記事からST読者は何を受け取ればいいのでしょうか? 少なくとも意中の男子へのアプローチの仕方などを読み取ることはできなさそうです……。「男子はバカでエロいということを知って、ヤリチンには気をつけるのよ!」という注意喚起の企画だとしたら、荒療治ながら効き目はありそうです。

これはムカつく! モンスター系女友達のイラっと行動

 最後に見ていく「友テロ警報発令中――っ!!」では、仲間外れ、自虐、自慢、マウンティング、……など、モンスター系女友達の問題行動が掲載されています。テッパン中のテッパンである「テスト超悪かったー」というイラっとする謙遜から、仲良しグループの中で「自分のインスタにだけ“いいね”をつけてくれていない」など現代っ子らしい悩みまで、ST読者の愚痴が止まりません! そのほかには、好きなアイドルの話になった時「ニワカだね~」と言ってくる女友達や「SNSに商品の(高額な)値段が見えるようにのせる」など、たしかに腹が立つことばかり。

 どの世代にも周囲をイラつかせる人間は居ますが、10代のST読者であれば改善の余地があるはず。モンスターJKが肥大化する前に自分の“ヤバさ”に気付き、言動を改めてほしいですね!!

 開放的になる夏に向けた企画が多かったように思う今回のST。ファッションやメイク、制服の着こなしに加え、水着や浴衣に気を配り、“かわいい”を頑張るST読者たちが、「男子の脳内☆解体新書」に出てきたヤリチンたちに遊ばれませんように! と願うばかりです。
(藤本なつき)


最終更新:2019/06/23 16:00
SEVENTEEN (セブンティーン) 2019年 07月号 [雑誌]
ヤリチンのおせっかいって、本当にしょうもない!