カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「ar」6月号

『テラハ』モデル起用の「おフェミなヤンキー」はギャグ!? 「ar」の努力とセンスが滲む迷コピー

2019/05/31 13:20
島本有紀子
「ar」6月号(主婦と生活社)

 「ar」(主婦と生活社)6月号はBODY特集号。表紙に掲げられたタイトルは「LOVE MY BODY 痩/せ/ず/に/く/び/れ/、触/る/と/こ/だ/け/す/べ/す/べ」。このスラッシュの嵐にどういう意味が込められているのかは、最後のページまで読んでもわからなかったことだけは先にお伝えしておきます。早速、中身を見ていきましょう。

<トピックス>
◎太陽が似合う女がエロい SUMMER NUDE娘
◎やせるよりイイことしよ(ハート) たった3か条でアゲBODY
◎おフェミなヤンキーがハートに響く!

夏に期待しすぎでは?

 おフェロでエモくてラブいものに目がない「ar」が大得意の季節といえば夏。人気ヘアメイク・イガリシノブ氏によるメイク企画、今回のタイトルはずばり「太陽が似合う女がエロい SUMMER NUDE娘」です。

 「夏・夏・夏!! どフェロなサマーフェロモン!!」と大きな文字であおっていますが、そのすぐ下には「『フェロモンどば~!』じゃなく、動くたび、話すたびにこぼれ落ちるようなちら見せ系で攻める」とも書いてあります。そんなフェロモンの微調節が人間にできるのだろうかと、1ページ目から腰が引けます。

 しかし、紹介されているようなメイクをすれば「振り返られる真夏のヒロインになれる」とのことで、「夏はいつだって準備万端&前のめりに迎えなきゃ!」と明るく発破をかけ、読者を誘導していきます。

 イガリ氏の提案する「SUMMER NUDEメイク」は6種類。それぞれに付けられたタイトルは「とことんネアカに(ハート) 陽気な肌ベイべ!」、「夏の主人公 オラヌードな彼女」、「あふれちゃう(ハート)実っちゃう(ハート) DAKUDAKU娘」などなど、どれもテンション高め。

 中でも最も興味をそそられたのは、「ナツ恋必勝祈願【閲覧!推奨】顔からボンキュッボン!! arマル秘SUMMER NUDE顔」でした。タイトルが長すぎることはさておき、ブルーのラメシャドウなどで顔の隅々まで「夏のステキ感」を盛るのがポイントだそう。

 「夏のステキ感」というなんとも抽象的な言葉が、「ar」の夏への根拠なき期待、膨らみすぎている幻想をよく表していると感じました。「真夏のヒロイン」や「夏の主人公」を目指す方は、ぜひこの「夏のステキ感」とは何なのか、追求してみてほしいです。

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