元極妻が考える「暴排の暴走」――かわいすぎる「暴排犬」と警察の情報漏洩問題
「暴排犬」はかわいいし、平和だから、まあいいとして、警察の情報漏洩問題は相変わらずです。
1992年に暴対法が施行され、2011年までに全国の都道府県で暴排条例が施行されてきましたが、それまではヤクザと警察は「持ちつ持たれつ」の関係にあったのは、指摘されてきたことです。だってヤクザに接近しないと、警察だって捜査がしにくいんですよ。情報が取れてナンボの世界ですから。そこで癒着も生まれるわけです。
この5月には、警視庁組織犯罪対策4課の男性巡査長(42)が、捜査協力者に暴力団事件の関係者の個人情報を漏らしたとして書類送検されました。この件は「暴力団員に」情報を漏らしていたのではなく、「暴力団員の」情報を漏らしていたのですが、「漏らした相手」とはどのような方なのか、気になるところです。
報道によると、巡査長は「(漏えいによって)協力者から良い情報を取り、犯罪組織の実態が解明されることに充実感を得ていた」と供述しているそうですが(5月17日付け時事通信)、正直意味がわかりません。
そもそも今どきは私たちのネットやコンビニでのお買いものの情報も警察に提出されている時代ですから、それらがきちんと管理されていない証明でもあります。しかも、この巡査長は、TBSの取材に対して「知らない。一切そういうことはしていない」と否定していたそうです。
この事件とごっちゃになるのが、4月の報道ですね。16年に発覚した「暴力団関係者」への情報漏洩問題について、警視庁麻布署の男性巡査部長(48)が4月25日に略式起訴され、懲戒処分を受けて辞職していました。
朝日新聞は、2月に「『暴力団関係者と親しくしている』との匿名の通報があり、巡査部長の携帯電話の通話履歴などを調べたところ、この暴力団関係者と連絡を取っていたことが判明したという。警視庁は『引き続き事実関係を確認し、調査の結果を踏まえて適切に対処する』としている」と報道していました。
ちなみに、アラフォーで「巡査長」って、どうなんでしょうね。巡査長とは「警察法62条に定められた正式な階級」ではないそうです。ほぼ交番勤務の「巡査」と同じで、ウィキペディアによると「勤務年数が高卒採用から10年を超えてなお巡査である者に対しては、懲戒歴などが無ければ特段の選考を経ずに昇任させる」そうですよ……。
もしかして、「警部」とかだと相手が緊張するから、あえて「巡査長」にとどまっておられるとか? それはないでしょうが、これらの事件は「ムリしないと捜査できない」という現状を反映しているのだと思います。つまり、みんな過剰な暴排が悪いのです。「暴排犬」も含めて、暴排が暴走している例だともいえます。