コラム
女のための有名人深読み週報

博多大吉、『あさイチ』ゲスト・森高千里に対する一言に露呈した「男尊女卑」な素顔

2019/04/18 21:00
仁科友里

 ここまで、大吉の価値観と時代の流れがかみ合わないのは稀だが、またやらかしたなぁと思うことがあった。

 4月12日放送の回で、歌手・森高千里が出演した。もしかすると、大吉は森高のファンで、舞い上がっていたのかもしれない。森高は、代表曲の一つ「私がオバさんになっても」について、「ハタチを過ぎた自分に対して、『女盛りは19歳だよ』と言ったスタッフにカチンと来て作った“怒りソング”だった」と誕生秘話を語っていたが、大吉は「森高サンが歌うなら手拍子できるけど、『マジにオバさんになってんじゃん』って人が歌っても……」とまぜっ返す。「一方的にオバさんと言われるのが心外だ」という話をしているのに、大吉は「あなたはオバさんじゃないけれど、違う人はオバさんだよ」と答えているわけで、これが女性に対する上から目線でなくて何だろうか。

 “女性目線”を掲げてきた『あさイチ』だが、いきなりの昭和返り。がっかりする視聴者の中には、元NHKアナウンサー・有働由美子とV6・井ノ原快彦コンビの復活を願う人もいるだろう。まぁ、そうはいっても現実問題、二人が復帰するとは思えないが、このコンビが女性ウケ抜群だった理由の一つは、「女性が部長」「女性が年上」だったからではないだろうか。

 情報番組で多いのは、「おじさんと若い女性アナウンサー」という組み合わせである。現在の『あさイチ』で華大のアシスタント的な立場にある近江友里恵アナも30歳であり、華大と比べると大分若い。メインを張るおじさんは実績のある人だから、当然、女性アナウンサーは立てるし、合わせなくてはならないと考えるはずだ。嫌われたら、自分のクビが飛ぶことだってないとは言えないだろう。となると、意見があっても黙っているしかないと思ってしまうのではないか。しかし、有働&井ノ原コンビの場合、井ノ原の性質的なものに加えて、有働アナの方が年上で責任あるポジションについているから、周りは男性を含めてそれなりに気を使うだろう。その結果、番組のバランスが良くなっていたのではないだろうか。男尊女卑と保守は紙一重なので、そういうものを好む視聴者もいるだろうが、そこを「違うんじゃない?」と突っ込める人がいると、議論になって番組が盛り上がるし、見ていて感じがいい。

 しかし、『あさイチ』をはじめ、朝の情報番組のメインに女性はいない。女性を意識して番組を作っているはずのに、なぜ女性はメインに「なれない」のか。ここをスルーしてしまうと、「中身は男尊女卑」な男性芸能人が、入れ替わり立ち代わり現れては消えるということが続いていくように思えてしまう。

仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。

最終更新:2019/04/18 21:00
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