コラム
女のための有名人深読み週報

「下ネタOK」の女子アナ・大橋未歩が、案外『5時に夢中!』に向かないと感じるワケ

2019/04/11 21:00
仁科友里

 例えば、今は母親となり、お子さんの話も大分増えてきた月曜レギュラー、株式トレーダーの若林史江は、独身時代「ヤリマン」を自称していたが、「ヤる相手には事欠かないけれど、独身」という自虐でオチを作っていた。火曜日のレギュラーコメンテーター、作家の岩下尚史氏は『おーくぼんぼん』(TBS系)でセックスについて「あんないいものないよ」と話していたことがあり、『5時に夢中!』でも、セックスに興味のあるキャラを掲げている。木曜日レギュラーの岩井はオナニーについて語り、新潮社出版部部長・中瀬ゆかりは、事実婚をしていた故・白川通さんの存命中、「セックスレス」を公言していた。レギュラー陣の話は、カテゴリとしては下ネタであっても、具体的な話、例えば体位やオナニーのやり方について話すことはない。結局、「30代主婦に受ける下ネタ」というのは、「実生活では口にできないこと」かつ「生々しくはなく、共感できる(自慢と感じられない)こと」なのではないだろうか。

 それに対し、大橋アナの下ネタはそのものずばり、細部を連想させるもので、どちらかというと男性向け下ネタのように思うのだ。

 もう一つ、大橋アナは、案外「プライベートを語れない」というネックがあるように思う。大橋アナは二度結婚しているが、一度目の結婚は、ヤクルトスワローズ(当時)の城石憲之選手。大橋アナが軽度の脳梗塞を患った後、「(夫が)スムージーを作ってくれるのが日課になって、職人みたいになっています」と、「スポーツニッポン」の取材に答えていた。優しい夫と、そんな夫に愛される私をアピールしたものの、この直後に離婚。1年もたたないうちに、テレビ東京のプロデューサーである11歳年下の男性と再婚したことから、「不倫していたのでは?」という疑惑を持たれている。

 同番組のレギュラー陣にも、岩井や中瀬のように離婚経験者はいる。離婚は今時珍しくないし、イメージダウンでもない。しかし、不倫のように他人を傷つける形での離婚を疑われている大橋アナは、30代主婦ウケからは程遠いのではないだろうか。

 キャラかぶりがご法度というバラエティーの原則から言うと、『5時に夢中!』のレギュラー陣には、既婚者・母親も多いのだから、アシスタントは独身女性がいいのではないだろうか。30代主婦ウケを狙うなら、「結婚できない」自虐をする独身女性は見飽きた感があるので、離婚経験のある結婚生活不適合者キャラはどうだろう。番組ファンの私はそんなことを思ってしまった。

 そうは言っても、大橋アナのように知名度のある人が出ることで、番組が盛り上がることは事実。この番組ではアシスタントにもあけすけさは求められるが、エピソードのチョイスに気を付けないと、好感度が下がってしまう可能性はある。「意外と大橋さん、嫌になるの早いと思う」というマツコの発言が、予言にならないように願うばかりだ。

仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。

最終更新:2019/04/11 21:00
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