サイゾーウーマン芸能テレビドラマレビュークドカン“ジャニーズ代表”の生田斗真 芸能 ドラマレビュー クドカンドラマにおける“ジャニーズ代表”の役割を果たした、『いだてん』生田斗真 2019/04/15 21:00 成馬零一 ジャニーズ生田斗真ドラマレビュー 生田がまっとうした“ジャニーズ代表” そして生田は、痛快男子の三島を華やかなスターとして演じると同時に、育ちのいいお坊ちゃんゆえの弱さを演じきった。 日本人初のオリンピック参加のため、シベリア鉄道でストックホルムに向かう三島たち。国を離れたことで愛国心を自覚して意欲を高める金栗に対して、三島は長旅によって疲弊していく。 現地に到着してからも、外国人選手との身体能力の差、監督の大森兵蔵(竹野内豊)が体調不良で練習に付き添えないこと、世界新記録を出した金栗ばかりがマスコミから注目されることに対する嫉妬など、さまざまなプレッシャーでストレスを感じ、やがてホテルの窓から飛び降りようとしてしまう。今まで自信満々の姿を見せていただけに、弱っていく三島の姿はとてもショックだ。 「ぼくは勝ち負けにはこだわらない。むしろ、ぼくは一度くらいは負けてみたいと思っている」と得意げに語っていた三島は、世界の壁に直面し自信を失う。それでも、金栗や大森たちに支えられて、なんとか100メートルの予選に参加。結果こそ最下位だったものの自己新記録を記録し、さわやかな笑顔を見せる。ここで生田の見せた笑顔が、実に素晴らしい。 劇中で、やたらと脱いでは肉体美を披露する三島を見て、生田を脱がせたくて役に起用したのかと思っていたが、おそらく、この笑顔を一番見せたかったのだろう。自分の限界に直面して、それを受け入れた人間だけが持つ清々しさと寂しさが垣間見える、なんとも言えない表情だ。 三島は予選敗退。金栗もマラソンを途中退場してしまうが、勝敗を超えたところにあるスポーツに挑む選手たちの美しさが描かれていた。まだまだ続いていく『いだてん』だが、クドカンドラマにおけるジャニーズアイドル代表として、生田は見事、その役割を果たしたと言えよう。 (成馬零一) 前のページ12 最終更新:2019/04/15 21:00 セブンネット 土竜の唄 香港狂騒曲 DVD スタンダード・エディション ぶっさんを超える愛されキャラ、いまだ見つからずだよ 関連記事 『レ・ミゼ』『モンテ・クリスト伯』をまっとうした、ディーン・フジオカの“異物感”神尾楓珠、伊藤健太郎、ジャニーズWEST・重岡大毅――今年ブレークしそうな若手俳優8人瀬戸康史、『透明なゆりかご』由比院長で完成した『あさが来た』以降の男性像『おっさんずラブ』、ドラマ史に残る失恋シーンを演じた吉田鋼太郎の演技力『ブラックペアン』嵐・二宮和也に拍手喝采、イラつかせる“チンピラ演技”の魅力とは 次の記事 キンプリ・岩橋、ファン「友人クソすぎ」 >