サイゾーウーマンコラムエースを目指すホス狂いたちの闘争 コラム 【連載】ホス狂いのオンナたち 容姿や年齢より「使った金額」! ホス狂いたちが繰り広げる、担当ホストのエースをめぐる闘争 2019/02/23 17:00 せりな コラムホス狂いのオンナたち これが「ホス狂いマッピング」だ! ほかのお客さんなんて、気にしなければいいのに。そう思うかもしれない。私も最初はそう思っていた。なぜ被り客に敏感になるのか。なぜ、私たちは被り客を攻撃するのか。一見無益な女同士の争いを展開するのか。リアルでも、ネットでも。単なる憂さ晴らしではない。実は合理的な理由があるのだ。 それは、担当ホストのお客の中で一番お金を使い、大事にされる「エース」を目指すならば、ほかのお客さんに勝たなければいけないからだ。つまり、ライバルがいてこそ、エースは存在できる。彼女らに勝利してこそ、初めて1番になれるのだ。それは孤独なタイムアタックではない。各者一斉スタートで1位を競うレースである。ただし、たまに圧倒的経済力をもって乱入してくる選手もいる。 レースに勝ちたければ、現状認識が大切だ。もし、自分がエースでないとしたら、まずは己の立ち位置を確認する必要がある。自分の上には何人の被り客がいるのか。あといくら使えば「トップ=エース」をとれるのか。常にそれを脳内にマッピングしながら走るのだ。 それを再現してみたのが、下の図だ。昔、脳内メーカーがはやったが(ちなみに私の脳内は全て“無”だった)、それと似たような試みだ。震えよ、これがホス狂いマッピングだ。 この図は、横軸をホストへ使う金額、縦軸をホストからどれくらい大事にされるか、つまり良い待遇を受けるか、で示したホス狂いのマッピングである。縦の糸はホスト、横の糸は私(の頑張り)、と考えてもらえればわかりやすいだろうか。 中心の金額は0ではないが、図の左側は要するに「お金を使っていない人」と認識して問題ない。お金を使っていない人の存在は一旦忘れて説明しよう。 前回書いたホス狂いの階段、というのは、この図の中心から右上へ昇っていくことを指す。使う金額が上がるにつれ、担当ホストから大事にされるようになる。お金を使っていても、ホストへの態度が悪ければ対応も悪くなり、「痛い客」になる。そこそこの金額で、そこそこの接客を受けているお客たちは「エンジョイ勢」と呼べるだろう。この人たちが、実は一番幸せなのかもしれない。マラソンで言えば自分のペースでのんびり歩いている人たちだ。 ホストクラブの世界は「一番お金を使っていて」、「一番大事にされている」お客が一番偉い、という価値観で成立している。たまに、エースと結婚するホストがいる。それは「一番偉いエース」のさらに先だろう。ここに到達するのは、めちゃくちゃ難しい。あるかどうかもわからない。 コロンブスはインドだと思ってアメリカに到達したが、エースもきっと同様である。ついにゴールへ到達したと思っても、また別の大陸なだけのことがほとんどだ。とはいえ、ホストクラブの中では、お金を使えば容姿や年齢に関係なく、一番のお姫様になれる。ある意味ではわかりやすい価値観だ。そして、一番のお姫様には1人しかなれないけれど、1人だけではお姫様になれないのだ。 次のページ 「友達になれたかもね」被り客のお姉さんから言われた言葉 前のページ123次のページ 関連記事 担当ホストに月200万円……OLから風俗嬢になった女が駆け上がった「ホス狂い」の階段歌舞伎町の元風俗嬢が語る、愛しき“ホス狂い”たち――「滑稽だけど大真面目」な素顔掲示板を一分おきに確認......キャバ嬢の"病み"と繋がる「ホスラブ鬱」「調教されて風俗入り」は意外と多い? “家畜部屋”で暮らした女性の“リアル”な過去とはアラフォー風俗嬢が見た、超高齢化社会における老人のデリヘル遊びの悲しみ