稲垣吾郎と香取慎吾がサントリーCM続投、草なぎ剛もヤマサ昆布ぽん酢再登板。ジャニーズの呪縛から逃れた広告業界

2019/02/14 20:00
サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman

サントリーのノンアルコール飲料「オールフリー」の新CMに、元SMAPの稲垣吾郎と香取慎吾が続投出演する。16日より全国で放送される新CMは、「ノンアル維新」というテーマだ。

 テーマに合わせ、稲垣と香取は鮮やかな青色の羽織と袴をまとい、オールフリーの美味しさを日本中に伝える志士に扮している。岩の頂に登った稲垣と香取が、オールフリーの缶を掲げて「生きてるーっ!」と叫ぶ姿が印象的だ。

 昨年放送された同CM第1弾に続き、第2弾にも出演した稲垣と香取。第1弾からの心境の変化を問われた香取は、「1年前は、『羽ばたくぜ、オールフリー』という気持ちだったけど、今は『羽ばたこうぜ、オールフリーと一緒に!』みたいな感覚かな。みんなも行こうよ、という思いになっているよね」とコメント。稲垣は、「僕たちと『オールフリー』についてきてくれる仲間を、もっと増やしていきたいね」と語っていた。

 「生きてるー!」というセリフについては、香取は「前は生存確認だったのが、今の『生きてる』は、こう、『生きてるぜー!』という感じになった。1年で本当に変わったよね」と感想を述べ、稲垣も「そうだね、以前は言葉に助けられてきたから」と同調していた。

 今回の新CMで革命の志士に扮した香取と稲垣の姿からは、2016年のSMAP解散騒動後、ふたりが乗り越えてきた逆境を想起せざるを得ない。


サントリーの英断でジャニーズの呪縛から逃れた広告業界
 SMAPの解散を経て、ジャニーズ事務所を退所して独立の道を選んだ稲垣吾郎、香取慎吾、草なぎ剛の3人。しかし、その見通しは決して明るくなかった。ジャニーズ事務所の息がかかったテレビ各局は稲垣、香取、草なぎをキャスティングすることに二の足を踏み、地上波のテレビ番組から彼らはほぼ姿を消した。

 2018年1月のデイリー新潮が伝えたところによれば、大手広告代理店の電通でも、<元SMAP3人の扱いに関しては、電通内でも役員扱いのアンタッチャブルな案件だった>という。広告業界も、稲垣、草なぎ、香取を“腫れ物”扱いしていたようだ。

 当然、無用なトラブルは避けたい。草なぎはヤマサ醤油の「昆布ぽん酢」のCM契約が2017年6月をもって終了している。しかし、アサヒ食品の「1本満足バー」は草なぎの続投を決定したことで、案件を請け負った電通には<ジャニーズから“今後一切仕事はしません”とクリエイティブ(制作)の担当者が干された>という噂まであるという。稲垣、草なぎ、香取の活動の幅が、大きく制限されたことは明らかだった。

 しかし2017年11月、サントリーは「オールフリー」の新CMのキャラクターとして稲垣と香取を起用することを発表。2018年2月から、新CMの全国放送がスタートした。この時、自分たちがイメージキャラクターに抜擢された「オールフリー」への印象について、稲垣は「新しいステージに挑戦するときに、あとひと押ししてくれる言葉」、香取は「温かく、軽く『オールフリー』と言ってくれると、よし飛んでみようと思える」と述べ、あたかも自分たちの状況と重ね合わせているようだった。

 ジャニーズ事務所の不興を招くというリスクを省みず、大手企業のサントリーが稲垣と香取を起用したことが嚆矢となり、広告業界はこぞって3人を起用し始めた。2018年だけ見ても、稲垣、草なぎ、香取は「ロト6」「ロト7」のCMに出演。また、香取と草なぎはアンファーの発毛剤「スカルプD メディカルミノキ5」のCMで共演したほか、香取は単独でファミリーマートのイメージキャラクターにも抜擢され、まさに引っ張りだこの状態だ。


 さらにヤマサ醤油は、「昆布ぽん酢」の発売20周年を記念し、草なぎ剛を再びCMキャラクターに迎えると発表した。同社は草なぎを「発売以来『昆布ぽん酢』を育ててくれた」存在とし、草なぎ側も「気持ちよくOK」したという。新CMのオンエアは4月10日からを予定している。

 稲垣、草なぎ、香取が活躍する“場所”は多少変化したものの、彼らのスター性は変わっておらず、消費者への訴求力も高く評価されているということだろう。広告業界にとって、知名度と広告効果のあるタレントを放っておくことはマイナスにしかならない。広告業界は、すでにジャニーズの呪縛から脱しつつある。

最終更新:2019/02/14 20:00