外資系企業に勤める夫の目を盗み……婚外恋愛にハマッたセレブ主婦が「別れられた」理由
彼との時間を重ねるたびに、光希さんの心の中には、ご主人への後ろめたさが蓄積されていったという。
「夫は、子どもと私を不自由なく食べさせてくれているのに、私は呑気に不貞を重ねている……やめなければいけないのに、彼から連絡が来ると、女の子に戻ったようにはしゃいでしまう。そんな自分が許せないのに、彼に会うためにおしゃれをして待ち合わせ場所へ向かってしまう自分がいました」
まるで中毒となっていた光希さんの婚外恋愛にストップをかけたのは、今年の正月の出来事だったそうだ。
「私と娘が、同時期にインフルエンザにかかってしまったんです。本当につらくて、食べることもできなくて……夫は昨年末から海外赴任していますし、両親は遠方に住んでいるから頼れません。そんな時に、一番身近な『恋人』である彼は頼れない。彼も家族と共に『お正月』をしていますから」
いざという時に頼れない……病気が光希さんの婚外恋愛に歯止めをかけたというわけだ。
「彼にお別れのメールを送って、彼の連絡先を全て削除しました。メールは受信拒否設定にして、電話番号もLINEのIDも削除しました……そうしないと決意がぐらついてしまうと思って」
学生時代の恋愛を、大人になって再び謳歌した光希さん。この婚外恋愛を一言で言うと「ラッキー案件」だと語る。
「まさかこの歳になって恋愛を楽しめるとは思いませんでしたから。彼から連絡が来なくて不安になったり、嫌われちゃったんじゃないか……なんて、50代を目前にしたオバサンが、恥ずかしいでしょう? あのキラキラした半年間は、夫と子どもには内緒にしたまま、胸にしまって生きていきます」
光希さんは静かな面持ちでそう語った。彼女にとっての「ラッキー案件」は、これからの人生の糧となるのかもしれない。
(文・イラスト/いしいのりえ)