ハニーズが抱える“3つの地雷”! 「ユニクロ」「GU(ジーユー)」に見劣りしてファン離れ?
少し前まで女子中高生に人気が高かったブランド「ハニーズ」ですが、最近はその名前を聞くことがめっきり減りました。これはつまり、人気や関心が低下している可能性が極めて高いので、ブランドとしては気を付けるべき必要性があると言えます。実際のところ、ハニーズの売上高は2013年5月期の619億円をピークとして、徐々に低下し続けているのです。では、どうしてハニーズの人気が低下したのかを、今回は考えてみたいと思います。
ハニーズは、安くて、そこそこトレンドの服が揃うという特徴があり、女子中高生から人気の高いブランドでした。例えば06年5月期の決算だと、売上高は414億円で、なんと前年比38.8%増と大幅に伸びています。その前年の05年5月期決算でも、売上高は298億円でしたが、これも前年比38.2%と大幅に伸びています。2年連続で約40%ずつも売上高を伸ばしており、驚異的な伸び率といえるでしょう。今から13~14年ほど前が、ハニーズの成長期だったということがわかります。当然ながら、女子中高生に爆発的に人気が高かったのもこの時期でした。その当時の女子中高生は今、20代半ばから30代前半になっています。
しかし、最近はそういう評判をまったく聞かなくなり、たまに報道されても「ハニーズが中国から全店撤退」というネガティブな事実ばかり。
ハニーズはなぜ爆発的な成長を遂げたのか?
ここで、ハニーズが驚異的に成長を遂げた05~06年頃のことを思い返してみましょう。この当時、日本は相も変わらずデフレ不況でしたが、当時、大型の低価格洋服ブランドというと、ユニクロかハニーズくらいしかありませんでした。ZARAは1998年に日本上陸していましたが、08年頃までは鳴かず飛ばずで、商品傾向も今とはずいぶんと異なり、劣化版イタリアンシンプルブランドみたいな感じだったのです(ちなみに2000年前半、心斎橋ビブレに入店していたZARAで、1000円に値下がりしたイタリアンマフィアみたいな無地カラーシャツを何枚か買ったのを覚えています)。
H&Mもフォーエバー21も、まだ日本には本格上陸していません。ユニクロはすでに大型ブランドに成長していましたが、04年に「ユニクロ=ダサい」というイメージから脱するべく舵を切ったものの、まだファッション的には認められていませんでした。パレモやコックスなどはありましたが、その当時も今と同様に、さして話題には上らず。しまむらは、まだ「しまらーブーム」が起きる前で、田舎のおばちゃん向け低価格洋服店というイメージだったのです。またローリーズファームを擁するポイント(現社名アダストリア)も、「アースミュージック&エコロジー」を擁するクロスカンパニー(現社名ストライプインターナショナル)も、ともにまだ企業規模が小さく、今ほどの売上高はありませんでした。
要するに「まだベーシックと認識されていたユニクロ」以外の低価格ブランド(特に、女性に向けたブランド)は少なかったということです。ハニーズに、若い女性の人気が集中したのは、そういう業界情勢があったと考えられます。
逆に近年、ハニーズがあまり顧みられなくなったのは、低価格ファッションブランドが乱立したため、客を奪われたせいではないでしょうか。ユニクロとジーユーを擁するファーストリテイリング、アダストリア、ストライプインターナショナル、ウィゴーなどの国内勢に加えて、ZARAやH&Mなどの海外勢も存在します。低価格ファッションを買うのは、何もハニーズでなくてもよい、ということです。