インタビュー

陸上男子100m、9秒台の夢を描く――舞台『マキシマムスピード』出演者が舞台ウラを語る!

2019/01/30 16:00

――稽古中の楽しかったことや大変だったことは?

仲野 とにかくみんなで走ってます! こんなに走った稽古は、生まれて初めてでしたよ(笑)。陸上競技の経験者を稽古場に招いて、ミニハードルの特訓をしたり、フォームの研究もやりましたね。それが楽しくもあり、そして大変だったという。まず、「練習」の練習をして、それができるようになってから、初めてちゃんとした「練習」をして……という稽古だったので、クリアしなきゃならない課題がたくさんありました。(距離にして走ったのは)トータルで100キロ以上だと思います。普通の演劇の稽古ではこんなに走りませんから、マジでトレーニングしてましたね(笑)。

大川 どちらかと言うと、大変な目にばかり遭う稽古の方が、役柄的には合っているのかもしれないんですけど……稽古中は和やかでした(笑)。出演者の中には、同じ事務所の人や、前々から知っている先輩もいたりしたので、すごく穏やかなコミュニケーションを取れましたね。稽古中、役に入っている時と素にならなきゃならない時に、オンオフを切り替えなければいけないのは、大変だったかもしれません。芝居中は、相手がたとえお世話になっている先輩だとしても、歯向かわなきゃならない時もあるんですが、休憩中はやっぱり気を使いたいわけじゃないですか(笑)。ただ、ワザとそのオンオフスイッチを間違えて、みんなに笑ってもらうのは、逆に楽しかったですね (笑)。本当に、出演者のみなさんと仲良くできてうれしく思っています。稽古には、芝居パートだけじゃなくて走ったり筋トレしたりっていうトレーニングパートもありましたから、初めての共演者同士でもすぐに打ち解けて、盛り上がれましたね。

阿部 「挑戦」というのが一つのテーマにもなっている作品なので、稽古の時から、みんなの挑戦魂が炸裂していて、すごく熱気に満ち溢れた稽古場でした。もちろん、大変な面もあるんですけど、役者としてはやっぱり楽しいですね。熱気ある稽古はありがたい限りでした。SNSにも、稽古中のことを投稿していました。実は稽古場に専属のカメラマンさんがいたので、稽古場写真をたくさん撮っていただいたんですよ。自分もカメラをお借りして撮らせてもらったりして、すごく楽しかった。自分たちのスマホでも撮ってましたけどね。


佐川 日を追うごとに、各人がいろいろな演技プランを持ち寄って話し合えたのが楽しかったです。稽古が終わって、次の日にみんなと稽古場で顔を合わせると、また新しいアイデアが出て、それをみんなで話し合い、どう合わせていくかと検討していく……みたいな。日に日にどんどんよくなっていくので、稽古していても、役を演じる実感がわいたというか、充実した稽古だったなぁと思います。さっき慶吾くんが言っていたみたいに、いつの間にか、筋トレの輪が広がって、気がついたらみんなで筋トレやってたり、慶吾くんが陸上競技場に行ったのを知って、後からみんなも追いかけて一緒に走ったり……結構、肉体的にも鍛えられましたね。(筋トレをやった回数は)各部位で200回はやってますね。

〈10秒00の壁〉を破れ! 陸上男子100m 若きアスリートたちの挑戦 (世の中への扉)