「野菜中心」「バラン禁止」幼稚園の弁当チェックに悲鳴! 園の教育方針とぶつかるママたち
一方、保育士側も、保護者からの要求に困り果てているようだ。大型認可保育園で、保育士歴6年目になる恵子さん(仮名)は、小柄で若々しい印象なこともあり、保護者から“頼りがいなさそう”と思われるのが悩みだという。
「うちの保育園は、数年前駅前にタワマンが建った影響からか、比較的、経済的に余裕のある年齢層高めの親を持つ子が通っています。母子同伴の保護者会で、ぐずる男児にスマホを与えていたママに、小学校高学年になる上の子を持つママが『今からスマホなんて与えていたら、小学校で勉強についていけない』『将来、課金するような子どもになったらどうするの? 』と、注意しているのを見かけました。言われている方のママの顔が困惑していたため、私の判断で『音を出さなければ、スマホを見ていて大丈夫です』と間に入ったら、『子どものいないあなたに、なにがわかるの?』と逆に注意されてしまいました」
恵子さんは6年目ながら、保育士不足によって、重要なポジションを任される立場にいる。すると、育児経験のある年上のママから「なぜこんな経験の浅い若い子が……」という見られ方をされ、「こうした方がいい」とアドバイスされてしまうケースもあるという。保育士という仕事は、3年もたたずに辞めてしまう人も多い。恵子さんも、辞めたいと思いつつ、担当した園児たちの卒園までは見守ろうと思い、続けてきたそうだ。
「うちの園は、園児の学年が上がる時、担任もそのまま持ち上がりになるのですが、『恵子先生だと心配なので、別の先生がいい』と言ってきたママもいました。保育士は、子どもたちの性格なども把握しているので、正直、担当しているクラスが変わると、また園児の名前から保護者についてまで覚えなおさなければならないので、児童数が多い園だと負担が大きいんです」
若い保育士が、園児同士のトラブルやケガに対応しても、結果的に「もっと上の保育士を出してほしい」「園長と話をしたい」と言う30~ 40代の保護者も多いという。しかし、子どもはベテランの保育士よりも、若い先生を好む傾向があるため、新年度に上がる時、園側が担任の配置をどうするか悩むという面もあるそうだ。