東京ディズニーリゾート、障害者/ケガ人装う迷惑ゲスト……元キャストたちの怒りと本音
A もし私が、障害者やケガ人を装っているゲストを見つけたとしても、何と声をかければいいか迷ってしまうんですが、お二人はどうですか? 「本当に障害があるんですか?」「本当に骨折してるんですか?」なんて、絶対に聞けない……。
B 確かにキャストは、「ゲストに嫌な思いをさせてはいけない」と指導されますもんね。モヤモヤするけどスルーするしかない。
C 少なくとも、私が働いてた約10年前のマニュアルには、「ゲストアシスタンスカードを不正利用している人を見かけたら……」みたいな話は載ってなかったです。「ヤバい常連さんに気をつけましょう」という話はされましたけど(笑)。キャストにやたらしつこく絡んでくる常連には優しくしすぎないでとか。
A 不正利用疑惑のゲストに声をかけたとしても「大丈夫ですか?」くらいですかね、私は……。ゲストを叱るようなことはできないですもん。
C そうですよね。ゲストが、のぼっちゃいけないところにのぼっても、「ダメですよ」ではなく、「“安全のために”降りてくださいね」と、あくまでゲストがケガをしてはいけないからという体で声をかけるのが、TDRのキャスト(笑)。ゲストに「怒られた」「注意された」と思わせてはいけないんです。それに、そっちの方がゲストも聞いてくれますし。
B まぁ裏では、「あの子どもの親、いい加減にしろよ」とか言いまくってましたけど(笑)。そうだ、キャストって、TDRのおもてなしの基本理念「SCSE」を叩き込まれますよね。働いているとき、Safety(安全)、Courtesy(礼儀正しさ)、Show(ショー)、Efficiency(効率)の優先順位で判断しましょうって。SCSEに照らし合わせて、「ゲストアシスタンスカードを不正利用」にどう対応すべきかと考えると……うーん、難しい。ベテランだったら、叱らず、かつ礼儀正しさを保ち、うまく対応できるかもしれませんが、不正利用は明らかに悪意があるだけに、やっぱりこの問題は、ルールを変えるのが正解だと思います。
A キャストにとっても、ルール変更はよかったですよね。モヤモヤすることも減るでしょうし。ただ、さっきCさんも言ってましたけど、手帳を持っていないけれど困っている人には、かなり酷なルール変更。ミッキーに、不正利用する人を改心させる魔法をかけてもらいたいくらいです。