覚せい剤が取り締まり強化で「品薄」!? 元女囚が読む、シャブ業界の年末事情
覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。
■今年の年末は、覚醒剤がいつも以上に値上がり
あっという間に、年末になってしまいましたね。皆様、今年はどんな年でしたか?
私は、おかげさまで本を出させていただいたり、テレビやラジオでコメントさせていただく機会が増えた上に、経営しているラウンジをリニューアルしたりと、とても充実した1年となりました。この年末には、ロンドンブーツ田村淳さんの番組にも呼んでいただきました。オンエア日が決まったら、ご案内させてくださいね。
でも、シャブを扱う業界は、やや不穏な感じです。年末年始やお盆は、覚醒剤の値段が上がることは以前も書かせていただきましたが、今年はいつも以上に値上がりしているようです。
そもそもこの時期の値上げは、実は関係者(密輸業者や密売人など)の「お正月やお盆はゆっくりしたい」とか、「何かと物入りだから」なんていう理由だけなんですよ。気持ちはわかりますが、値上げしてもロクなことはありません。まあシャブなんか使わなければいいだけなんですけどね。
■警察vs麻薬取締官のバトルも
でも、今年の暮れのシャブの値上げは、ちょっと違います。取り締まりが厳しくなって、関係者や関係組織がシャブを売れなくなってきているんです。
たとえば「覚醒剤 逮捕」でニュースを検索すると、えらい勢いでパクられ(逮捕され)てます。「覚醒剤2.4キロ所持疑い ブラジル人ら2人逮捕、愛知」(12月5日・日本経済新聞)、「日本に覚せい剤の密輸図った台湾人の男を逮捕」(同13日・中央社フォーカス台湾)、「覚醒剤4キロ密輸、体に貼り付け 関西空港署が逮捕」(同19日・毎日新聞)などなど、億単位の密輸が事前にめくれて(発覚して)いるんですね。
なんでこんなにパクられてるのか、よくわかりませんが、「日本の捜査は甘い」というのが国際的な認識だそうで、ナメられているのも原因のようです。覚醒剤の入った袋を太ももなどに巻き付けていた男は、「不自然な体形」が空港でバレバレやったそうですからね。こんなにあからさまに怪しい人はともかく、密売人の逮捕をめぐっては、警察とマトリ(厚生労働省麻薬取締部)の「手柄争い」も激化しているとのウワサもあります。