「完食教育」でカレーを戻した娘は、陰であだ名をつけられ……母が小学校に怒りの訴え!
都内にある小学校で、教育補助員として働いていた藤本さん(仮名)は、“完食”が目に見えるルールとして常態化している状況に、違和感を覚えたそう。彼が働いていた小学校は、1学年3クラスと児童数も多く、休み時間は外遊びを促すなど、活気があった。そんな同校では、学年を越えてクラス単位で完食できた人数を競う、「完食強化週間」というものが施行されていた。その結果、食べるのが遅くて完食ができない子や、小柄で少食な子は、おかわりをするような食欲旺盛な子から、「なんで食べれないの?」と嫌がらせをされることもあったという。
「この学校では、“完食週間”の間、クラスで完食ができた人数を掲示するシステムになっていました。個人によって食べられる量はさまざまなのに、完食しなければいけないという雰囲気が漂っていたんです。ある児童は、牛乳が苦手で飲まずに持ち帰っていたのがばれ、先生から注意されていました。子どもをそれほどまで追い詰める完食週間の方が間違いなのでは? と感じますよ」
高学年になれば食べられる量もわかってくるため、給食当番に配膳量を少なくしてもらうように伝える子も出てくるが、低学年の児童はまだ自分がどれくらいの量が適量なのかわかっていないという。
「完食したらもらえるシールが欲しくて、無理やり食べている子どももいます。苦手なものが食べられたらシールがもらえるなど、完食でなくても達成感が得られるルールではダメなのでしょうか……」
性別や体格など、個人によって“適量”は違うが、給食は配膳量の基準が曖昧に見受けられる。一人ひとりに合わせた適量ではないため、“完食”が負担となってしまうのだろうあ。好き嫌いをなるべくなくし、全てを食べきること……その事実だけを見るのではなく、家庭で、そのためには何が必要かを考え、実践していく食育も必要と言えるかもしれない。
(池守りぜね)