【連載】モンペと呼ばないで! ~怒れるママたちの叫び~

「完食教育」でカレーを戻した娘は、陰であだ名をつけられ……母が小学校に怒りの訴え!

2018/12/05 14:07

「偏食の子多い」保育園で働く調理補助の嘆き

 学校側が完食を勧める背景には、食べきれずに廃棄される食品を減らしたいという意図があるようだ。私立の認証保育園で調理補助として働いている由香子さん(仮名)は、毎年、年末年始の献立に頭を悩ませているという。義務教育とは違い、親の仕事の都合で預けられている園児たちは、事前に登園予定日を出してもらっても、予定が変わりやすい。特に、お盆の時期や年末年始は、急な仕事や予定が入るかもしれないと、保育園が開いている日を、“念のため”登園予定にしているものの、前日や当日になって欠席が相次ぐケースもある。そうすると、最初に予定していた園児数分の食品に無駄が出てしまう。由香子さんは「給食用の仕入れ業者を利用しているため、食材の使い回しも難しい」と語る。

「廃棄食材を減らすため、普段から園でも子どもたちに、“完食”するよう勧めています。最近は、偏食の子が多くて、かぼちゃなどの果菜を使ったメニューやうどんなどに、食べ残しが目立つ傾向があります。中にはデザートの果物から食べ始めたり、ご飯をほとんど食べずに残す子もいますね」

 本来なら、小さい頃から偏食にならないように、いろいろな食材を使った料理を食べさせるのは、家庭での役割だと、由香子さんは語る。しかし、実際はレトルト食品を使ったメニューや、コンビニで購入できる総菜などを食べさせている保護者も多いという。共働き家庭が増える中、それも致し方ないとは思いつつ、子どもたちが“完食”できない一因には、家庭での食事にあると、由香子さんは考えているようだ。

給食の歴史 (岩波新書)