関わると危険? 女子がハマりやすいコミュニティ&ビジネスの闇

食品添加物、紙おむつ、医薬品にNO! “脅し系ナチュラル”に女性がハマる罠

2018/11/23 15:00

やめたくてもやめられないという人が多い

 自然派とスピリチュアルが組み合わさることで、根拠のない健康法でも「これをしないと、子ども(や自分)に害が及ぶかもしれない」と思い込んでしまう。ちょっとやりすぎかな、と感じていても、ここまでくるとやめたくてもやめられないという人が多いそう。また、宗教じみていると思う感覚も、あながち間違ってはいないと若林先生は言います。

「加工食品や、白砂糖などの精製物の禁止は、元をたどれば宗教団体が提唱していることでもあります。ナチュラリストの考え方には、その戒律が紛れ込んでいたりすることが多く、知らないうちに取り込まれてしまうんです。だからこそ、自然派に傾倒する人は、ある種の修行者のようなストイックさを発揮してしまうのかもしれません」

 とはいえ、布ナプキンは肌がかぶれやすい人には向いているし、オーガニック食材もカラダに良くて環境負荷が低いのは事実。しっかりと考えた上で自然派なモノを生活に取り入れる意義は、大いにあるとのこと。

「要するに、何を根拠に、どの程度取り入れるかを、自分で判断することが大事なんです。怖い言説を耳にしても、真に受けず、自分でちゃんと調べることを、必ずしてほしいです。そうしないと、伝わってくるナチュラルな説を盲目的に信じてしまい、呪いにかけられたように自然派を頼るようになってしまいます。また、質問を受けた医師や理系の方々は、バカにせず、話を聞いて質問に答えてあげてほしいです。皆さん、不安から、自然派の教えに傾倒していくのです」

 妊娠中や子育て期間は心が不安定になりがちですが、それを自然派由来の食べ物や衣類が根底から救ってくれるわけではないのです。選択肢に困ったら、正しいものを選ぶために、きちんと調べて正しい知識を身につけること。くれぐれも“直感”なんてものに頼らないよう、気をつけたいですね。
(島野美穂/清談社)


若林理砂(わかばやし・りさ)
1976年生まれ。鍼灸師・アシル治療室院長。東京医療専門学校にて鍼灸免許を取得し、その後、早稲田大学第二文学部・思想宗教系専修にて主に宗教を学ぶ。2004年アシル治療室を開設。現在は初診予約を停止しているほどの人気。古武術を学び、趣味はカポエィラ。主な著書に『安心のペットボトル温灸』(夜間飛行)、『その痛みやめまい、お天気のせいです――自分で自律神経を整えて治すカンタン解消法』(廣済堂出版健康人新書)、『絶対に死ぬ私たちがこれだけは知っておきたい健康の話──「寝る・食う・動く」を整える』(ミシマ社)など。夜間飛行より、メールマガジン「鍼灸師が教える一人でできる養生法」を配信中。

最終更新:2018/11/23 15:00
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