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インタビュー

「白髪」は老けの象徴ではなくなった? グレイヘアは「素敵」の価値観が生まれたワケ

2018/11/04 16:00

 今のアラフィフは、バブル世代といわれている。彼女たちは、「他人の目を気にしなくていい」「取り繕わなくてもいい」といった価値観を持っており、それが、グレイヘア人気につながっているのではと、平松氏は続ける。

「バブル時代は、『女性が男性を選ぶ』時代だったため、女性は『自分のままでいる』ことにあまり抵抗がない。バブル世代の女性は外見以外でも、総じて“他人に影響されない”という自由さと強さを持っていると感じますね。なので、このグレイヘアブームは、バブル世代特有のものなのかもしれません」

 つまり、グレイヘアブームが訪れた背景には、「バブル世代が白髪の目立つお年頃になった」という点があるのだろう。この流れが、今後、下の世代にまで広がっていくかといわれると、平松氏もやや疑問を感じるようだ。

「ただ、大学生を見ていると、ここ10年くらいおとなしい髪色の学生ばかりだったものの、最近、赤や青といったアグレッシブな髪色を選ぶ学生が増えてきた印象です。女性のメイク……例えば口紅の色や眉の太さは景気によって変わるといわれますが、髪色も同じで、現在、景気が上向いてきたからこそ、自分の好きな色を選び取る学生が徐々に増えつつあるのでは」

 現在のアラフィフ世代と、20歳前後の世代は、似たような価値観を持っている部分があるのではないかと考察する平松氏。「もちろん、さまざまな要因が絡み合ってのグレイヘアブームだとは思いますが」としつつも、将来的にグレイヘアブーム再燃の担い手になりそうな世代は存在するということか。また、世代論でくくるだけでなく、グレイヘアを謳歌する女性が増えれば増えるほど、それを“お手本”にする若い女性も出てくるだろう。

 これまで、バブル世代の女性が「傲慢」「高飛車」などと批判されることも少なくなかったが、「バブルから30年が経過した今、グレイヘアブームを通して、彼女たちの『周囲に同調せず、自分を貫く』ところが肯定的に見られるようになったということでは」という。

 グレイヘアは一過性のブームとして過ぎ去ってしまうのか、それともスタンダードになっていくのか――。

最終更新:2018/11/04 16:00
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