関わると危険? 女子がハマりやすいコミュニティ&ビジネスの闇

過剰な「女は生きづらい」発言はなぜモヤモヤする? 社会学者が一刀両断

2018/10/28 17:00
社会学者の新雅史さん

第3回『性差を強調するSNS発言』

 SNSでたびたび巻き起こる、男と女の対立。とりわけ、女性が権利に関する主張をすると、決まって大炎上となってしまう……。さまざまな男女問題をめぐり声を上げ続ける女性に対して、モヤモヤを抱くのは男性だけではないんです。「女子がハマりやすいコミュニティ&ビジネスの闇」、今回のテーマは「性差を強調するSNS発言」。

■女性も敬遠するSNS投稿文

 少し前になりますが、こんなツイートが話題になりました。

【「女性専用の街」があったら夜の9時でも買い物に行ける。…足音、自転車の車輪の音、バイクの音に振り返らなくていいんだよ。幸せすぎて涙出るね…】


 「女性専用の街! 私も住みたい!」という肯定的な意見が出る一方で、「自意識過剰」「男女の話と、安全な暮らしの話は別問題」「男に頼らないで街を作れるなら、やってみろ」など、男性からの否定的な意見も続出しました。

 このような、男性社会で生きる女性たちの生きづらさや、女性差別をなくそうという趣旨の発言は、ネット上では結構な頻度で炎上します。過激なフェミニズムを主張する女性を指すネットスラング「フェミ女」という言葉もあるほどです。

 そんな発言に抵抗感を持つのは、男性だけではありません。小泉美波さん(広告・30歳)もSNSで流れてくるこの手の発言に、「なんかモヤモヤする」と言います。

「『女性はこんなにかわいそうなんだよ!』っていう被害者意識の強い発言が多いじゃないですか。そうかと思えば『だから男はもっと我慢すべき』みたいに、急に攻撃的になったりして。同じ女のはずなのに、なんか怖いんですよね。私が男だったら『どうすればいいの?』って困惑してしまうと思います」

 また、女性の弱さをアピールするような発信に対してもモヤモヤするそう。


「ちょっと前にツイッターで『女性は男性の8倍の身体ストレスを受けることが科学的に証明された』という投稿が話題になったんです。だから、女は男性からは想像もつかないような痛みやつらさを味わいながら日々頑張ってるということらしいんですが、こういう目的がわからない“弱さアピール”をする発言や、それに同調することが、逆に女性差別を助長してるような気がするんですけど、どうなんですかね。みんな特に気にしてないのかな?」

 そもそもこの主張は、フェミニズムなのだろうか? 社会学者の新雅史さんに話を聞きました。

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