沢田研二のドタキャン騒動で考えた、ジャニオタとジュリーファンをつなぐもの

　今回の騒動は、一般的に「これがジャニオタだったら、暴動になっている」などの声が多いし、「プロなら、お客さんが1人でもやるべきだ」と叩いているジャニオタもいた。でも実際、このことで憤り、荒れているジュリーファンはあまりいない。もちろん落胆はあるだろうが、「体調が悪いのではなくて良かった」と安心する声や、冷静に受け止めている声が多いのだから、外野がどうこう言う問題ではないだろう。

　そうしたファン心理は、実はジャニオタと共通する部分もあると思う。この騒動について、オアシズ・大久保佳代子が分析したファン心理が秀逸だった。

「『このワガママな感じ、私にしかわかんないのよね』って思うのが好きな女性ファンもいっぱいいると思う」
「女は振り回されたいんですよね、ジュリーみたいな男に」
「『神経に違和感を覚え、心が揺れ、循環器が循環せず、体幹が大きくブレた』とか、まったく理解できないコメントもあるじゃないですか。意味がわかんない、かっこいい～！　って（ファンは思う）」

　特にKinKi KidsやV6、TOKIOのファンなどをはじめ、ジャニーズを長年見守ってきたジャニオタには頷ける部分があるのではないだろうか。ジャニーズを見ながら、「あんなに美形なのに、また太っちゃって～」「かわいい顔なのに、なんでヒゲ生やすんだろう」と外見に振り回されたり、「また不機嫌丸出しだわ」と心配しつつ、この感じは私にしかわからないと思ったり、「私服センスがすごすぎて理解できない」「おさげ髪にヒゲは全然意味がわからない」と思いながらも、「でもカッコいい～！」という結論に、何の違和感もなくたどり着けるジャニオタは結構いるのでは？

　実際、Twitterにはこんなつぶやきも見られた。「ジュリーとファンの関係が私は理想。破天荒なジュリーを理解していて、今回の公演中止も交通費・ホテル代と騒ぐわけでなく、『健康の問題じゃなくてよかった』と言えるファンがかっこいい」「もしジャニーズの誰かがキャンセルしたら、ジャニオタは『空席作ってごめんね、これからはもっと行くから！』とか言い出しそう」。

　すっかり太り、世間では「カーネルサンダース」と言われるほど別人のようになっている沢田。でも、あんなワガママな人が神妙な面持ちで大嫌いなマスコミの取材を受ける姿を見ると可愛く思えてくるし、さらに「声と目は昔から全然変わっていないこと」に気づいてしまうと、「ああ、やっぱりジュリーだ!」と思ってしまう。「ダメな人だけど、全力で応援せざるを得ない」「どんなに汚くなっても、どこまでもついていく！」という思いは、ジャニオタも共通しているのではないだろうか。

　往年のジュリーを知らない若いジャニオタさんたちは、暇があったらぜひぜひ動画や画像を探してみてください。きっとハマるはず。