コラム
“中学受験”に見る親と子の姿
「母親の学歴は子の学力に影響する」説は本当? 「勉強嫌いで短大卒」の母を持つ中学受験生は今
2018/10/28 19:00
“親子の受験”といわれる中学受験。思春期に差し掛かった子どもと親が二人三脚で挑む受験は、さまざまなすったもんだもあり、一筋縄ではいかないらしい。中学受験から見えてくる親子関係を、『偏差値30からの中学受験シリーズ』(学研)などの著書で知られ、長年中学受験を取材し続けてきた鳥居りんこ氏がつづる。
今夏、文部科学省が発表したデータは、教育関係者に同意と衝撃を同時にもたらした。
「子どもの学力は母親の学歴と比例する」
毎年4月に、国が実施している「全国学力・学習状況調査」(通称「全国学力テスト」・小学6年と中学3年の全員が対象)。2017年にはこれに付随して「保護者アンケート」を取ったのだが、この結果を文科省が夏に発表したのだ。
調査結果は、「親の収入や学歴が高いほど児童・生徒の学力が高い」といった傾向を示し、しかも、それは父親よりも母親の学歴の方に、より影響を受けるというものだった。
実はこれ、今まで、教育関係者の間で都市伝説的に語られてきたことなのである。それが“事実”だったという“裏付け”になったため、「やっぱりね……」という感想を持つ先生方は多かったようだ。
識者たちは「日本はまだまだ母親主導の子育てなので、子どもへの影響力は父親よりも母親にあるのだろう」というようなコメントを寄せている。つまり「学力偏差値が高い母親の子どもは偏差値が高い」ということである。
では、その傾向は、「中学受験界にも当てはまるのか?」ということについて語ってみよう。