“中学受験”に見る親と子の姿

「母親の学歴は子の学力に影響する」説は本当? 「勉強嫌いで短大卒」の母を持つ中学受験生は今

2018/10/28 19:00

「自分で調べなさい」は子どもの知的好奇心を封じ込める

 中学受験は、“親子の受験”であるために、自宅学習に関しても、親子で頑張る人たちはたくさんいる。やはり母親の学歴が高いと、子どもが難問に苦戦している時、即座にヒントを出せる確率が高くなるだろうし、何より、子どものあらゆる疑問に間髪いれずに答えてあげられるということが強みであると思う。

 子どもが「なんで、こうなるの?」「これは何?」と言った時に「うるさいわね、自分で調べなさいよ!」と言ってしまう母と、「良いところに気が付いたわね」と上質なヒントを与えられる母……その暮らしの積み重ねを比較すれば、答えは一目瞭然であろう。

 人間には「疑問点はなるべく早くに解決したい」という欲求がある。自力で解決できればいいが、子どもはそれがなかなか難しいので、親がフォローの役回りを担うわけだ。この「解決したい!」という欲求を封じられ続けた子は、その持って生まれた“知的好奇心”を自主的に永久に封じ込めてしまうのである。

 そう考えると、やはり母親の学歴と子どもの偏差値は比例すると考えられるが、長年、中学受験界をウォッチングしている筆者の立場から言うならば、完全には「母の学歴=子どもの偏差値」ではないと思っている。もちろん、結果として母の学歴がリンクすることはあるにせよ、要は母自らの“知的好奇心”の有無が関係していると言えよう。

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