「子宮系女子」ビジネスはなぜ儲かる? スピリチュアル・自己啓発分野のマーケティングから考察
また、子宮メソッドには、引き寄せやスピリチュアルの“弱点”をカバーする画期的な面が備わっているという。
「引き寄せやスピリチュアルって、実体というか、イマイチ具体性がないんです。本を読んだり、講演に行ったりすると、その時は満足感を得られても、その後『じゃあ、どうやって実践するの?』と、わからなくなってしまう。子宮メソッドにも、『子宮の声を聞きましょう』といったものがありますが、それだけだと皆さん実践しにくいのでは。そもそも、こういう『取り繕わず本音を感じましょう』というのは、引き寄せの定番なんです。ただ、子宮メソッドの新しさは、心がけだけでなく『子宮を温めよう』『膣をマッサージしよう』『布ナプキンを使おう』といった具体的な実践方法が記されている点。身近な“臓器”に紐付け、『快/不快』といった肉体からの感覚をメソッドに盛り込んでいるだけに、これまで概念に走りがちだった従来の引き寄せやスピリチュアルに比べ、実体や実感を持ちやすいのではないでしょうか」
「どう実践していいかわからない」という点こそ、「この業界にリピーターを生む構造になっている」と指摘する有元氏。このちょっとした不満が、人に“もっといいもの”を求めさせるというのだ。「みんな、最終決定打を求めてさまよい続けています。そこに、実体や実感を持ちやすい子宮メソッドが登場し、飛びついたという人は多かったかもしれませんね」という。
「なお、スピリチュアル分野に関心が高い層と健康分野に関心が高い層は被っている傾向があります。これまでは、スピリチュアルに馴染みがなかったけれど、子宮というワードの目新しさに惹かれ、かつ、生理不順や婦人科系の疾患などホルモンバランスなどにお悩みの方が、子宮メソッドに飛びついた可能性もあると思います。子宮メソッドには冷え取り要素もあり、それで体調が良くなることはあるのかなという気はします。恐らく、子宮メソッドにハマッた人は、これまでさまざまな引き寄せやスピリチュアルを経験された方が多いだろうとは思うのですが、健康に関心の高い方が引き寄せられてきたケースもあるのではないでしょうか」