カオスかつ耽美で理解不能、東山紀之による「ジャニーさん的世界観」の完成度
さらに、その後、全員が首元の切り込み(?)からTシャツを破いて、上半身裸になるのだが、見える部分・隠れる部分が計算し尽されたように美しい脱げ方になっている7MEN・中村嶺亜や、全部破けて足元に落ちて面白いことになっているB少年・岩崎大昇、うまく脱げなかったのに慌てず、ボレロ風に引っ掛けるという咄嗟の機転を利かせるHiHi・井上瑞希の経験値の高さ・対応力など、それぞれ個性が爆発していて、見どころがありすぎる。
カオスかつ耽美な世界で、情報量が多すぎて、すぐには理解できないことばかりだったので、10回以上リピートしてしまった(10回以上見てもやっぱり理解不能なこと多数)。
正直、こんなにも東山が「ジャニーさん的世界観」の持ち主だったとは、思わなかった。ちなみに、この「君に薔薇薔薇…という感じ」は、田原俊彦の曲で、かつて『ザ・ベストテン』(日本テレビ系)では、トシちゃんが歌いながら摩訶不思議マジックショー(トシちゃんが箱に入り、串刺しされたり、顔が下に移動したり)を披露するという「バラバラ」違いの謎演出が見られる曲でもあった。そんな古き良きジャニーズ感、歌謡番組感も、盛り込まれているわけだ。
さらに、9月18日放送分『MUSIC STATIONウルトラFES』(テレビ朝日系)では、東山がKing&Princeと50人超のJr.を引き連れ、ジャニーズミュージカル『JOHNNYS’mini isLAND』を披露した。太鼓あり、ローラースケートあり、タップダンスあり、アクロバットあり、ステッキありと、ジャニーズ的要素が盛り沢山。しかも、あくまでメインはデビュー組のキンプリが務めながらも、スキル集団の5忍者(少年忍者からの選抜チームらしい+ちびっ子たちが華麗なタップを披露、さらに「ジャニーズJr. SP」中村浩大と金田耀生と並び、現Jr.では歌唱力トップクラスと思われる少年忍者・北川拓実のソロをたっぷり聞かせるなど、「華」と「技術」のバランスも秀逸だった。
そして、全員が階段に並ぶラストでは、カメラが引いていくと、最後列でまったく目立たないように見えていた東京B少年・佐藤龍我が、実は階段の最上段どセンターでキラキラ光を放つというオマケつき。
ストイックで、努力や態度、スキルを重要視する東山と、「ひらめき」「輝き」を大切にするジャニーさんの天才的クリエイティビティとの相性は、実は案外良いのかも?
滝沢秀明の引退は非常に残念でならないが、ジャニーさん的センス抜群で、Jr.の育成への信頼感も厚いタッキーに加え、ここにきて「ジャニーさんの思いを引き継ぐ人」に強力な援軍がまた1人加わったように思えてならない。
(田幸和歌子)