コラム
【連載】庶民派ブランドの落とし穴

GAPが抱える“3つの地雷”! 「年々生地が薄くなる」低品質Tシャツに消費者げんなり?

2018/09/29 16:00
GAP公式サイトより

 ZARA、H&Mなど、2008年頃から、グローバルSPAブランドが続々と我が国に上陸していますが、その先駆けとなったのがGAPです。GAPの日本上陸は1995年なので、すでに23年が経過しています。上陸から10年間くらいは存在感を見せていたGAPでしたが、2010年以降はすっかり存在感が薄れてしまったように感じます。結論からいえば、GAPは10年以降、ユニクロ、ジーユー、ZARA、H&Mなど、ほかのグローバルSPAブランドが勢力を拡大していったため、それに押されたのだと考えられます。では、なぜそうなってしまったのか? 今回は、GAPについて見てみましょう。

 業界外の方はあまりご存じないかもしれませんが、GAPはH&MやZARAよりも、服飾史に刻まれるべきブランドなのです。この連載でもさかんに登場する「SPA」という単語ですが、日本語では「製造小売り」と訳し、自社で企画した商品を自社の店舗で売るというビジネスモデルを指します。現在の著名ブランドはほとんどがこのSPA形式になっており、バーバリーしかり、トミーヒィルフィガーしかり、無印良品しかり……です。

 このSPAという形態を最初に生み出したブランドがGAP。現在、数多く存在するSPAブランドは、GAPがなければどれも生まれていなかったといえます。

 GAPはもともと、リーバイスなどのブランド品を仕入れて販売する通常のカジュアル専門店で、創業は1969年。90年に他ブランドからの仕入れ品を全廃して、完全SPAブランドとなりました。これが世界初のSPAブランドで、現在GAP社としては、オールドネイビー、バナナ・リパブリックというSPAブランドも展開しています。

 現在有名な多くのSPAブランドもGAPと同じような段階を踏んでSPA化してきました。例えばユニクロも90年代半ばまでは、コンバースのトレーナーやリーバイスのジーンズなど、他社ブランドを仕入れて販売していたのです。ユニクロの柳井正会長はSPAブランド化をするにあたって、米国のGAPと香港のジョルダーノを参考にしたと常々公言しています。

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