天理教、22万人の信者が集う「おぢばがえり」に潜入! 「祭りじゃない祭り」の目的は
オリエンテーリングとは、数人1組のグループで、スタートから必須ポイントを通過しつつゴールに向かう野外スポーツの一種のこと。なるほど。それならば、数人1組のグループごとに行動するのも頷けます。
こうしてお祭りではないことが納得でき、ついに当日。関東に住むわたしたち家族は電車で、夫の実家のひとたちはマイクロバスで、天理駅前で待ち合わせ。電車が天理駅ホームにすべりこむと、ここからもう「こどもおぢばがえり」が始まっていることに気づきます。ホームに天理教のゆるキャラ(ピッキーとリボン)の旗が無数にはためいているのですから。
さらに改札を出ると、それは顕著に。地方の新幹線停車駅に匹敵するほどどデカい天理駅の壁面に、ドーンと横断幕が張られているではありませんか。
<ようこそ おぢばへ 近鉄>
<ようこそおぢばへ こどもおぢばがえり JR西日本>
驚くことに、鉄道会社のクレジット入り。これぞ宗教都市の貫禄。いよいよ市を挙げてのお祭……じゃなかった、イベントの様相を呈してきます。
駅前で義家族らと落ち合うと、まずは天理教本部まで歩きます。メンバーは、夫の両親と兄弟の家族2組、そして、その兄弟の子どもの友達だという、近所の小学6年生10人。みな、お揃いの帽子をかぶっており、わたしたちの子どももかぶるよう促されました。周りを見るとみな同じように、帽子、Tシャツ、タオル、タスキ……などを揃え、グループごとに移動しているのがわかります。
一行で社殿のような場所までゆき、はとバスガイドさんのような旗を持ち、どうやら引率係のようになっている義弟夫婦が、「じゃあみんな、挨拶して」と言うと、小学生たちは素直なもんですね。
「今日はよろしくお願いします!」
と、気持ちよく声を揃えます。
「はいはい、みなさん、ここではね、3つの決まりがあります。まずは『生きるよろこびを味わうこと』。そして、『ものを大切にすること』。それに、『仲良くたすけあうこと』。この3つを心がけて、楽しんでくださいね」
「はい!」
そして参加記念品を受け取ると、ひとつめのアトラクションへゆくことになります。