アカチャンホンポ「お母さんを応援」パッケージ変更――「クレーマー批判」はなぜ起こる?
小学生のお子さん2人の母親である治部氏自身は、「全国のお母さんを応援します」というおしりふきのキャッチコピーを、率直にどう思ったのだろうか。
「私の夫はよくおむつ替えをしていて、私より夫の方がやっていたくらいでした。なので、このキャッチコピーには、率直に『お母さんだけじゃないよね』と思います。オムツに限らず、調味料などのパッケージにも『お母さん』と書かれていて、それを見るたびに、我が家では『またお母さんしか書いてないね(笑)』と言っていますね」
そんな治部氏は、今回の一件に関して「モノを言う人を叩く風潮がある」と感じたという。「世の中がちょっとずつ良くなっていくのは、いろんな人が『これではダメだ』と意見を言って来たから。今回、パッケージ変更を求めた人を『クレーマー』と批判する人がいたそうですが、むしろそういった“モノを言う人を叩く人”の方が、クレーマーではないかと思いますね」と見解を述べる。
また、ネット掲示板やコメント欄、Twitterなどで、“本質を見抜いていない意見”“ズレた声”を見かけることが多いと、治部氏は指摘する。先日放送された『首都圏情報 ネタドリ!「“保育園落ちたい”なぜ?」』(NHK)で解説を務めた際、こんなことを実感したという。
「インターネット上では、極端な意見やネガティブな意見が目につくことが多いです。例えば働く親が、育児休業などを取る際、制度を目いっぱい使うと『ワガママ』などと責められたりすることがあります。ただし、こうした意見を持つ人が多数派かというと、それは疑問です。現実には職場で育休復帰をサポートしてもらった経験を持つ人は少なくありません。SNS上のネガティブな意見を過大評価しすぎず、対面で本音を聞くことが大事だと思います」
赤ちゃん本舗のパッケージ変更についても、「そもそもネットで批判している人は、『モノを言う人や、何かを変えようとする人が嫌い』なのではないか」「本当に反対している人は、どれくらいいるのかを測る必要がある」と感じているそう。ネットで可視化される意見は偏りがちだけに、「私も気をつけなければいけないなと思います」と語った。