「握手会で求婚」から5年――元AKB48・岩田華怜、ストーカー逮捕に時間要したワケを弁護士が解説
ストーカー規制法は、00年11月24日に施行された法律で、同法によって逮捕されるのは、「1.ストーカー行為をした場合(1年以下の懲役、または100万円以下の罰金)、2.ストーカー行為を行わないように禁止命令が出されたにもかかわらずストーカー行為をした場合(2年以下の懲役、または200万円以下の罰金)などが挙げられます」とのこと。今回、ストーカー規制法違反としか報道されていないため、どのような罪名で逮捕されたかは不明だが、「いずれにせよ、この法律で逮捕されるには相当の時間を要する」そうだ。
「理由はいくつかあります。法律は、『押しかける』『待ち伏せ』『面会の強要』『乱暴な言葉をかける』『性的な言葉をかける』などを、“つきまとい等”と定めるのですが、これらの行為を1回行っただけでは、“つきまとい等”と判断してくれません。これらが複数回行われて初めて“つきまとい等”と判断されます。しかし、この“つきまとい等”が1回でも行われれば、ただちに逮捕できるというわけではありません。法律は、さらにこの“つきまとい等”を繰り返し行うことを“ストーカー行為”と定めており、この“ストーカー行為”が行われた場合に、初めてストーカー行為法違反として逮捕することができるのです。だから時間がかかってしまいます」
一度や二度「待ち伏せ」が行われただけでも、当人は大きな恐怖を感じることだろうが、それだけでは逮捕にはほど遠いという現実があるようだ。
「また、こういう行為は、証拠として残りにくいという点があります。警察は、証拠がなければ動きませんので、押しかけてきた、待ち伏せされた、面会を求められた、脅迫文が届いた、といった証拠を一つひとつ集めないと、“繰り返し行われた”と判断してくれないわけです。“刑罰”を科す以上、慎重さが求められるのはわかりますが、警察がろくに仕事をしないで発生した桶川ストーカー殺人事件もあったことですし、なかなか難しいところです」
現状こうしたつきまとい行為に悩んでいる当人にとって、“逮捕までに時間がかかる”という現実は受け入れがたいものだろう。何かが起こってからでは遅いだけに、山岸氏は証拠集めに関して、次のようなアドバイスをする。
「“証拠”というと、監視カメラなどの映像や脅迫文そのものが挙げられますが、“つきまとい等”に対しては、そういうことがあったことを日記に記す、というのも立派な証拠となります。警察に証言する時には、時間もたっており、忘れてしまっていることもあるでしょう。その日にあったことを日記にまとめて、これが繰り返されていることを警察に伝えるということが大切です」