カルチャー
[短期連載]天理教のツマ、「宗教合宿」2泊3日潜入記【第1話】

夫の実家は「天理教」!? 結婚5年目、奈良県天理市の「後継者合宿」に子連れ潜入してみたら

2018/06/13 21:00
ウキウキ気分でインスタにアップ

大太鼓がイケている……! 
結婚挨拶で「奈良県天理市」に初訪問

 夫の実家が天理教の教会だと知ったのは、結婚直前でした。当時、天理教についての認識といえば、「黒い法被を着て、路上で太鼓やシンバルのような楽器を叩きながら、歌い練り歩く宗教」であり、なんとなく、カルトの部類とは違うんだろうなあ、という程度。

 あの日、初めて夫の実家に行くと、それはそれは情緒溢れる立派な教会、というか神社? いや、道場? が、ドーンと待ち構えていました。古い木造の家に瓦造りの屋根。立派な神棚と、ずらりと並ぶ楽器。何十畳もの畳が敷かれた大広間。それを目の当たりにした感想は、「かっこいい!」のひとこと。

 で、教会の機能はというと、警察でいうところの「派出所」にあたるようでした。奈良県は天理市にあり、教祖的な人がいる「本部(神殿)」という名の「警察庁」があり、その下に「群馬県警」的な「大教会」というのが各地にあったり、いろいろ経たあとのもっとも末端が、夫の実家の「教会」だそうなのです。

 実家の人たちは、そこで毎朝6時と毎晩18時に、「おつとめ」といわれる、楽器演奏&歌と、踊り&歌をやります。覚える気などさらさらないわたしは、朝は早くて起きられないから参加もしないし、夜は後ろの方で正座をして「楽器演奏はやってみたいなあ。やるなら大太鼓がイケてていいなあ」などのんきに考えているくらいでした。

 以降、年3回の帰省時は毎回その状態。教会長である義父も、生まれたときから天理教で特に熱心な義母も、もちろん夫も、「もっと真剣にやってほしい」など、何も言いません。

 わたしが妊娠時や、子どもがケガをしたときには、「『おさづけ』をするから」と言われ、お腹やケガをした箇所をさすられながら何やら唱えられる、というくだりは何度かありました。要は、「神様、どうかお助けください」というおまじないのようなものだと認識しています。

 そのとき困るのが、義父や義母は、熱心に真剣に、わたしや子どもの体をおもんぱかってくれるのに、わたしときたら邪心だらけなこと。

「ど、どうしよう、お義母さんの顔を見つめていたほうがいいのかな。どんな表情で、どこを見てればいいかな。ああ気まずいなあ」

「終わったら、『あ、なんだか楽になりました!』とか、まるでマッサージ店を出るときのように気を使って言ったほうがいいのかな」

 などと余計なことばかり考えていました。

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