TOKIO・山口達也、「謝罪会見からジャニーズ退所まで」を不祥事対応のプロがダメ出し!
ジャニーズ事務所としては、示談が成立したため“報道されない”と踏んでいたとも考えられるが、こうした不祥事には、“最悪の事態”を考えて対策を取らなければいけないという。「隠していても『週刊文春』(文藝春秋)や『週刊新潮』(新潮社)がいずれ嗅ぎつけて取材に来ることも想定できた」と語る高祖氏は、山口の謝罪会見も同様に、準備された会見ではなかったと感じたそうで、「事務所としては、あの弁護士の方をつけたことで、安心しきってしまったのかもしれない」と言及する。山口とともに会見に登場した弁護士は、元東京地検特捜部検事などを歴任したジャニーズ事務所の顧問弁護士で、主にコンプライアンス、危機管理に長けた人物と伝えられる。しかし、事務所はそれ以前に、謝罪会見ではあり得ない対応を行っていたという。
「『文春オンライン』で配信された記事(TOKIO山口達也の謝罪会見 ジャニーズ幹部との“異常な”やりとり)で、ジャニーズの幹部が『文春』の記者に対して、高飛車な態度を取ったと書かれていましたが、普通の企業の謝罪会見ではそんなこと絶対にあり得ないですからね」
高祖氏いわく、会見場のセッティングや進行自体も「慣れた人が仕切っているとは思えなかった」という。会見場には、山口と弁護士の席、またマスコミの席も用意されていなかったというが、「一般的な企業の謝罪会見では、それぞれ席が用意され、企業側とマスコミ側に(心理的な)境を作り、ある程度の距離を持たせて向き合います。しかし、山口さんの会見では、囲み取材の形でした」。
さらに山口が弁護士とともに登場し、その後、弁護士が事件の経緯を説明、山口の質疑応答に移るといった流れも、「子どもが親と一緒に謝りに来たような印象。記者から、『可能な範囲で経緯を自分の言葉で説明してほしい』といわれ、山口さんがあらためて説明を行っていましたが、最初から山口さんがすべきだったのではと感じますし、質疑応答の際も記者の方が一斉に質問するような形になってしまうなど、会見の進行がうまくいっていないように思いました」。
また、山口の発言についても、高祖氏は厳しい目線を向ける。
「山口さんは、まず謝罪からではなく、メディアに対して『私の起こしてしまった件について、個人的なことでお集まりいただき、ありがとうございます』とお礼を言ったんです。謝罪会見とは、マスコミにではなく、被害者やファンに謝罪をする場なわけですから、まずは謝罪から入るべき。それに、“ポジションペーパー(見解を示した書類、方針書、声明書)”を作成していなかったのではないかとも感じます。普通は事前に、事件の経緯といった事実関係を整理し、『なぜこういうことが起こったか』『今後どうするのか』などをまとめたもの、また想定される質問とその回答をまとめたものを準備するのですが、あの会見は、どう見てもそういったものを作成している様子がありませんでした」
世間だけでなくメンバーからも猛批判を浴びた「もし待ってくれる場所、私の席がそこにあるのであれば、またTOKIOとしてやっていけたら」という発言に関しても、高祖氏は「普通、ポジションペーパー同様、口にしてはいけないことを事前に確認する“ネガティブリスト”というものも作るのですが、それもなかったのでは。企業の謝罪会見では、必ず経営の責任問題とTOPの進退について問われますから、回答を準備して臨みます」と指摘。今後の本人の進退についてやメンバーに対しての思いは、記者から聞かれるであろうことは想定できるだけに、やはり準備不足が露呈してしまったようだ。
「あと、泣いて会見しちゃいけないですよね。被害者の親御さんの言葉を聞いて涙を流すなど、他者から見て、“感情があふれて涙が出た”と理解できればいいのですが、山口さんの場合、会場に入って来たときから、ずっと鼻をすすって泣いていたんです。恐らくですが、会見について何も整理されていなかったから、不安もあって涙が出てしまったのではないかなと。事前の準備ができていれば、自分の中で頭の中を整理して話そうとするでしょうし、もう少し冷静でいられたような気がします」