コラム
【連載】紫帆ママが見た「きょうのクソ客」第3回
「傷ついたオレ」を飲み屋で演出! 二股をかけて悦に入る“時代遅れトレンディ男”の生態
2018/04/27 15:00
わたしはAさん・Bさんと結託して、彼にお灸を据えることに。まずはBさんから、彼をデートに誘い出してもらいます。向かう先はとある焼肉店。そこにわたしとAさんが待っていてご対面という寸法です。彼は、わたしとAさんの姿に驚きながらも平静を装って席に着きました。しばらくは和やかに飲んでいましたが、徐々に牙をむくAさん。
「へえ、Bちゃんと仲良いんだ」
「わたしのこと、好きだって言ってたよね?」
「ほかの男と飲みに行ったら怒ってたけど、自分は女の子と飲みに行くんだ」
そこにBさんも加わっていきます。
「どういうこと? わたしにもAさんにも好きって言ってたの?」
「簡単にヤレそうって思われてたのかな、わたし」
はじめこそキ○タク風に「……ちっがうよ」などと格好つける余裕があった彼もだんだん青ざめていき、しまいには唇を噛んでうつむいたまま、涙声で「ごめん……」と呟いていました。
こうして存分に飲み食いしたお会計と、彼一人を残してわたしたちは店を後に。外に出るとまたしても小雨。きっと、この夜のことも彼の都合のいいように脚色されて、どこかの酒場でドラマティックに語られることでしょう……。
(隔週金曜日・次回は5月11日更新)
プロフィール
浮川紫帆(うきがわ・しほ)
東京都内の繁華街の一角でバーを経営する30代バツイチ女性。ママ歴は6年。好きなお酒はマカストロングのお湯割り。
(イラスト=ドルショック竹下)
最終更新:2018/04/27 15:02