「連絡帳の自作」を保護者に指示――“時代錯誤”な小学校と“よき母になりたい”親はなぜすれ違う?
学校からの依頼が、保護者の許容範囲を超えてしまう――それは、今回の連絡帳の一件に限ったことではなく、全国各地で見られる現象のようだ。
「(連絡帳の話を知って)脱力してしまいましたね。『いつの時代の話かな?』と思って、あらためて確認して、『あ、やっぱり今年の話なんだ』って(笑)」と語るのは、『PTAをけっこうラクにたのしくする本』『PTAがやっぱりコワい人のための本』(ともに太郎次郎社エディタス)などの著者であるジャーナリストの大塚玲子氏。保護者が学校側からの依頼に慌てふためいてしまうという事例を、次のように解説してくれた。
「例えば、算数セットの数え棒(数を数える学習や、図形作り、長さ比べ、立体図形作りなどに用いられる棒。数十本~100本で1セットとなっている)への名前つけ。ものすごく小さな細長い専用のシールがあって、それにペンで名前を書いて一本一本に貼るという作業で、実際に私もやったんですが、途中で『何なんだろう、これは……』と、ぼう然としてしまいました。Twitterなどを見ていると、同じく数え棒への名前つけに苦労されている方をよく見かけますね。もちろん、名前が書いてあった方が、もし失くしても持ち主の元に戻ってきやすいというのはわかるんですが、それにしても数え棒は名前を貼るのに不向きだと思うんです」
ほかにも、「明日の図工で使うからと、“2Lのペットボトル”や“粘土”“牛乳パック”などを突然持ってきてくださいといわれ、苦労する保護者もいる」そうで、「私も仕事から疲れて帰って来て、夜、泣きながら紙粘土を買いに出たことがあります(笑)」とのこと。
「そのときのお母さんは、『何なの学校!?』『何なの子ども!?』という心境なのでは。学校は、2~3日前に伝えていたのに、子どもが忘れていた場合もあるかもしれませんしね。正直、低学年だったら、ちゃんと親に伝えられない場合もあるので、『1週間前までにはにお便りで教えてもらわないと対応できない』という保護者は多いような気がします。あと、平日日中に保護者会や参観日が設定され、『仕事が休めない!』と困り果てる保護者も多いのではないでしょうか」