インタビュー

“関ジャニ∞・渋谷すばる退所”に絶望するエイターへ――臨床心理士が「心の回復法」を助言

2018/04/19 16:05

悲しむだけ悲しむことが大切

 では、ファンたちは、その傷ついた心をどう癒やすべきなのだろうか。渋谷を、そして関ジャニ∞のこれからを、前向きな気持ちで応援したいと思いつつ、深い悲しみから脱せないという人も大勢いるが……。

「心理学では、『悲しむだけ悲しむ』のをオススメする場合が多いですね。心理学用語で『モーニング・ワーク』、日本語では『喪の仕事』と呼ばれているのですが、『悲しむだけ悲しむ』ことにより、その対象がいなくなった人生を受け入れる、言ってしまえば“儀式”みたいなものです。この儀式から逃げ続けていると、ずっとじわじわとした悲しみが続いてしまいます。いまはつらくて、コンサートDVDやテレビ番組を見られない、CDも聞けないという方もいるかもしれませんが、いっぱい見たり聞いたりして、悲しむことをした方がいいと思います」

 渋谷は、7月15日にグループを脱退するため、夏の全国ツアーには不参加となる。ファンの中には、「すばるのいないコンサートを見るべきか否か」と悩んでいる者も少なくない。

「こういう表現がいいかどうかはわからないのですが……“大切な人との死別”と重ねて考えてみると、このコンサートは、“死後から四十九日までの間”と似たようなもの。一般的に、亡くなった方は、49日間この世に漂っているといわれ、遺された人は『いまここにはいないけれど、まだこの世のどこかにはいる』と感じると思うのですが、同様にファンの方も『ステージには立っていないけれど、まだジャニーズ事務所にはいる』と感じるのではないでしょうか。ちゃんと悲しむために、“いる/いないの中間”を受け止める……そういった意味で、ファンの方はツアーに参加した方がいいと思います」

 実際の退所は、それから数カ月先の12月31日だが、「私は、渋谷さんがファンにモーニング・ワークを行う時間を与えてくれたのではないか、と思うんです。単純に契約上の都合によるものかもしれませんけれど、ファンへの愛情を感じました」という。


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