コラム
【連載】紫帆ママが見た「きょうのクソ客」第2回
「昔は痩せてた」「美女にモテモテ」飲むほどウソをつく“虚言リーマン”の残念な末路とは?
2018/04/13 15:00
さすがにこれはダウト! ……というのも、Mさんは自他ともに認める超イケメン好きで、営業でアフターに行ったとしても巨漢のブレイクさんに色目を使うことはあり得ません。私はさりげなくスマホのボイスメモを録音モードに。そうとも知らず、ブレイクさんはMさんとのデートの顛末を話し続けます(“熱烈アプローチ”から、いつの間にかセックスをしたことになっていました)。ある程度、言質が取れたところでボイスメモをMさんに送信。20分もしないうちに能面のような表情のMさんが来店しました。ブレイクさんはうろたえて口数が少なくなっています。
「おいデブ、何いいかげんなこと言ってんだ」
アイドル系の可愛らしい顔立ちのMさんが低い声で問い詰めます。必死ではぐらかそうとするブレイクさんですが、流言の証拠であるボイスメモを再生されると、顔を真っ赤にしてうつむいてしまいました。
「私、既婚者だから。こういう嘘、今後も広めるつもりなら法的手段を検討するよ?」
Mさんの言葉に、顔色が真っ青へと変化したブレイクさんはそそくさとお会計を済ませ、帰っていきました。以降は来店することもなく、店には平穏が訪れました。が、夢の住人は現実の世界では生きられません。きっとまたどこかのバーで、夢みたいな話をしているのでしょう。
(隔週金曜日・次回は4月27日更新)
プロフィール
浮川紫帆(うきがわ・しほ)
東京都内の繁華街の一角でバーを経営する30代バツイチ女性。ママ歴は6年。好きなお酒はマカストロングのお湯割り。
(イラスト=ドルショック竹下)
最終更新:2018/04/13 15:00