【モンペと呼ばないで!】バレエ教室で「娘だけ裸足練習」……これは指導なの、虐待なの?
保育園、幼稚園、小学校、おけいこ事の教室などでは、日々子どもの保護者と施設側の間でトラブルが発生している。ほんの些細なことでも、自分のこと以上に気になってしまうのが親心というものなのか。わが子のことを思ってとクレームを入れるママもいれば、モンペと呼ばれることを恐れて我慢するママも。そんなトラブル事例とママの葛藤をつづる。
新たなスタートの時期となる4月に、子どもの習い事デビューをさせるママは多い。少子化と叫ばれて久しいが、保育園の待機児童問題と同様に、人気の習い事に子どもたちが集中し、中にはキャンセル待ちとなるところもあるという。特に都心部では、治安や近隣への騒音問題により、公園遊びも気軽にできない風潮があるため、園庭を持たない保育所に通っている園児たちのママは、「運動させよう」と、体操教室や水泳教室に子どもを通わせるようになるのだ。都内で4歳になる男児を育てている30代の朱莉さん(仮名)は、3歳になったのをきっかけに、息子を水泳教室に通わせるようになった。
「実は、水泳教室の定員に空きがなく、半年キャンセル待ちをして通えるようになりました」
朱莉さんは、息子が通う予定の小学校では、水泳の授業が“泳げる子”と“泳げない子”に分けて行われるというウワサを聞いたそうだ。通っている保育園にはプールがないので、「夏場は水浴びしかできないんです。このまま泳げないで小学校に通うようになると、いじめられるのではないかと心配になり、入会しました」。
こうして念願の水泳教室に子どもを入れた朱莉さん。しかし、ママ友トラブルの“火種”を目撃し、頭を悩ませるようになったという。
「うちは3歳から習い始めたのですが、中には赤ちゃんの頃から親子スイミングに通っている子もいます。水泳教室の見学室は、そういった長期間通っているママさんがスペースを陣取っている状況なんです。ジムの人から『終わった人は早く退散してください』と言われても、お菓子を広げた状態で、平気な顔で座っているママさんグループもいます」
土曜クラスの時には、午前と午後の幼児クラスのママたちで見学室が満杯になるという。彼女は一度、水泳教室に「妊娠中のママさんが座れないで立っていたことがある」とクレームを入れたものの、「いろいろな方がいるので難しいですが、改善します」という一言だけ。保育園や幼稚園とは違い、習い事教室にとって、生徒とその保護者は、 完全に“お客様”である。そのため施設のスタッフも、マナー違反のママたちに強く言えない面があるのかもしれない。