高橋由美子、泥酔&ラブホ不倫騒動に見る“真の酒豪キャラ”に必要なモノ
ところで、酒豪キャラとしてバラエティに出る女性芸能人はいても、男性芸能人はいないのはなぜだろう。その答えになり得るのが、今、森友学園問題で話題の安倍昭恵夫人のエピソードである。彼女が初めてファーストレディーになった時、話題になったのが、その酒豪ぶりだった。森永製菓の社長令嬢にして、首相夫人というセレブリティーが酒好きであることは、「気取っていない」「ざっくばらん」と好意的に受け止められていた。当時、安倍首相は潰瘍性大腸炎を患っていたこともあり、飲酒できない安倍総理の代わりに、夫人が地元の支援者とノミニケーションを行っていると書いた週刊誌もあった。
しかし、流れは変わる。昭恵夫人はミュージシャン・布袋寅泰の大ファンであり、酔った夫人が電話で布袋を呼び出し、しなだれかかったり、首筋にキスをしたと「女性セブン」(小学館)が報じたのだ。この騒動をきっかけに、総理と昭恵夫人の不仲説、また「出たがり」「芸能人好き」といったバッシングが勃発した。
昭恵夫人の行動は、酒豪キャラの条件を明示しているのではないだろうか。酒豪キャラはまず社会的地位など、人からあこがれられるものを持っていなければならない。普段なら一般人には手の届かない人が、“酒を飲む”際は、一時的にこちら側に近づいてきてくれるところに、意味がある。アルコールの力で多少理性が緩む姿が見られるのも魅力だろう。けれど、いくら酒を酌み交わしても、簡単に深い仲になっては、単に「酒に飲まれている人」「酒の飲み方を知らない人」になってしまう。
つまり、酒豪キャラは恵まれていて、持たざる者にも優しいが、簡単に男女の仲にはならない、しっかりした貞操観念を持っていなくてはならないわけだ。酒豪キャラを自称する女性芸能人が美人ばかりなのは、美貌や性的魅力など“あこがれられるもの”がないと成立しないキャラだからである。
男性を形容する言葉、例えば“男前”を自称する女性芸能人に必要なのは、モテることと書いたことがあるが、酒豪キャラはさらに強固な貞操を必要とする。
手が届きそうだけど、ヤらない、もしくはその現場を撮られない。酒豪キャラは、ある意味、究極の清純派アイドルと言えるのではないだろうか。
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。
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