美容・健康
激痛で飛び起きることも

就寝中に足がつる原因は? 寝方が悪い、体が凝ってる以外に“あるもの”が不足してる

2018/03/23 19:15
Photo by Photography from AC

 「寝ているとしょっちゅう足がつる」「ちょっと体をひねっただけなのに、背中がつった」など、“体がつる”という現象が、悩みのタネになっている人も少なくないのではないだろうか。漠然と「体が凝っている、冷えている」となりやすいイメージも強いが、そこには意外な事実が隠されているようだ。今回、稲毛病院の整形外科・健康支援科の部長である佐藤務医師に、なぜ体はつるのか? そしてつらない体にするためのアドバイスを聞いた。

――よく体のあちこちがつるんですが、特につりやすい体の部位というのはあるのでしょうか?

佐藤務氏(以下、佐藤) ふくらはぎの下腿三頭筋が多いですね。理由は、運動時にも日常的にも最も酷使する筋肉であるからと考えられます。いわゆる「足がつる」というのは、ふくらはぎの筋肉が、急に痙攣を起こして収縮したまま、激しい痛みが持続した状態をいいます。

――主にどういった場合に足をつりやすくなるのでしょうか。

佐藤 いろいろな説明がなされていますが、“持続した高強度の運動時”、つまり激しくてしんどい運動を続けている際に、足のつりが起こりやすいといわれています。この場合は、脱水、酸素・グリコーゲンの枯渇、電解質異常(血液中のミネラルのバランスが崩れ、多すぎたり少なすぎたりした状態の総称)、神経の酷使、血流停滞、疲労物質である乳酸の貯留などが複合的に作用し、筋肉の収縮・弛緩の切り替えがうまくいかなくなって、足がつると考えられます。あと腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症でも、ひざから足首までのつりの頻度は高いんですが、これは“神経性のつり”と呼ばれるものです。

――電解質異常……ミネラルバランスが崩れるというのは、どういうことでしょうか。

佐藤 ミネラルとは、カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムなどを指すのですが、それらが不足し、バランスが悪化すると、筋肉を持続的に収縮させ、足をつる原因になるんですよ。

――漠然と、体が冷えたり、凝っているときに起こるものだとばかり思っていました。

佐藤 確かにそれもあります。冷えによって血流が停滞すると、乳酸が貯留され、足のつりにつながります。保温をしたり、お風呂に入ったり、マッサージをしたりというのも、対策の1つといえるでしょう。

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