平昌パラリンピック中継に見る「香取慎吾」の扱い
――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!
◎あれは23年前
いよいよ始まった、オウム事件死刑囚たちの各地への移送。しかし、オウム関連の宗教団体として「アレフ」と「ひかりの輪」はよく聞く名称だったけど、今回の報道で初めて「山田らの集団」ってのもあるってことを知った。「山田らの集団」……。何かこう、味わい深いネーミングである。前衛劇団とか、農業系のエコなNPOってイメージ。手作り味噌のパッケージとかに印刷されてそうな文字面だ。いやいやいや、そんな感想はともかく。新しいオウム系団体が確認されたら、それは早く教えてもらいたいもんである。変な味噌買わされる前に。
そもそも、そんなに散らして「執行」すること自体知らなかった。「聖地」を作らないためなんだろうか? 何だかものすごく規模の大きい「ドナドナ」。そんな印象の映像であった。
◎慎吾をさがせ!
メダルラッシュではあるものの、放送枠は少ない。盛り上がってるんだか、盛り上がってないんだか、微妙な喫水線を抉り続ける平昌パラリンピック。生中継も少ないしなぁ。そんな貴重な中継中、スノーボードに出場後の山本篤選手と記念写真を撮る香取慎吾の姿がNHKのライブカメラに。しかし顔半分見切れてて、明らかに「映しちゃイカン!」という咄嗟の配慮が働いたのが見て取れた。
こうなったらもう、「木原さんのお天気コーナー」とか、『PON!』(日本テレビ系)のガラスの向こうとか、強風時のお台場周辺や、交通が乱れた日の新宿駅などなど、テレビが映さざるを得ないところを足繁く訪れてみるというのはどうだろう。映ったところで特に何も変わらんとは思うが。いろんな不自然は伝わるかと。ま、そもそもすでに不自然は伝わってるのであるが。それが当たり前の「景色」にならないうちに、できる限りの手を打たないと。景色にするのがあっちの狙いなのだから。
あ、大雪の日の八王子駅前も必ず各局行くからオススメだ。来冬まで待たなきゃいけないのが難だけど。
◎どうかお大事に
大橋純子、食道癌を発表。マスコミを集めた緊急会見にて。うーむ。「重大発表があります」と報道陣を集めておいて……で思い出すのは海老名みどりの自著『ビッグアップル殺人事件』(主婦と生活社)出版会見。いや、「癌」の一大事を海老名みどり扱いしてはいけませんね。いけないのだがしかし。集まったマスコミ陣から発せられた声が、明らかに苛立っているのが会見から伝わってきたのも事実。「何かファンの方へ伝えたいことはありますか」なんつって、本人よりも先に〆を促す質問したりして。
毎年行っていた検査で食道癌を発見。ステージは1。転移もなし。予定していたコンサートは休み、今年は治療に専念します。コンサート中止は、長い芸能活動において初めてのこと。ファンの皆さんには申し訳ないが、また元気な姿で歌えるよう頑張るので、引き続き応援宜しくお願いします。
……ファクスでいい。そんな声なき声が、生中継の『ミヤネ屋』(日本テレビ系)からも聞こえてきた気が。少なくとも「緊急会見」と銘打つと、必要以上にハードルだけグングン上がっちゃうから。各社にファクス送った後、取材申し込みのあったところへ丁寧に答えていこう。芸能生活40年以上のベテランだというのに、どうしてこんなイロハも知らんのか。知っててあえてなのなら、それはそれですごいが。
「大橋純子が存在している」ということを、皆で指差し確認できたという意味では、効果アリというべきか。これから健康食品の通販なんかで、仕事増えるんだろな。新しいジャンルということで、もう電通仕切り済みなのかな。邪推はともかく、今は「頑張れ大橋純子」で心一つに。あとはとにかくマジ検診だ!
今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)、近著に『気になる「あそこ」見聞録』(新潮社)がある。