“伊調馨パワハラ騒動”を報じる「女性自身」の意味深すぎる“吉田沙保里”情報
下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!
3月5日、自民党の憲法改正推進本部が改憲項目の緊急事態条項の条文案に、政府の権限強化と国民の私権を制限する規定を盛り込む方針を固めたという。緊急事態を決めるのは政権であり、そうなれば国会の事後承認で好き勝手に法律をつくれ、国民の多くの権利が剥奪され、税金も自由に使えることになるわけだ。一歩一歩と日本は恐ろしい国へと歩みを進めつつある。
第403回(3/1~3/6発売号より)
1位「伊調馨 パワハラ騒動に秘めた栄和人監督『戦慄の執念愛』」(「女性自身」3月20日号)
2位「千昌夫 年上金髪スタイリストと続ける倹約“半同棲”生活 目撃撮!」(「女性自身」3月20日号)
3位「満島ひかり 9年在籍事務所へ怒決別『仕事より子作り!』」(「女性自身」3月20日号)
女子レスリング伊調馨選手へのパワハラ事件が大きな波紋を呼んでいる。なにしろ日本レスリング協会の栄和人・強化本部長が、自分の元から離れた伊調選手への執拗なパワハラを行っていたというのだから、驚くべき事態だ。
この騒動について、早速「女性自身」が特集を組んでいるが、その切り込み方に結構ビックリした。
まず、栄氏のパワハラは日常的だったという傍証だ。ほかにもターゲットがいたとして、父親と二人三脚で闘ってきた浜口京子選手のこんなエグいエピソードを紹介する。
「スパーリング(実戦形式の練習)をしているときに、『お前なんか潰れてしまえばいいんだ!』と、耳元で執拗にささやき続けたこともあると聞きました」(日本レスリング協会関係者のコメント)
父親と二人三脚で闘ってきた浜口は栄監督の直弟子じゃないからね。今回の告発とも共通するエピソードだ。
だが驚くのはこれだけではない。それが吉田沙保里選手との“関係”だ。記事ではまず、栄監督がこれまで10歳と19歳も年下の2人の“教え子”と結婚したことを紹介しながら、こんなことを記しているのだ。
「結婚にはいたらなかったものの、栄氏にとっての“最愛の教え子”といえば、吉田沙保里選手でしょう」(スポーツ紙記者のコメント)
どういう意味だ。意味深である。さらに、栄監督と吉田選手が同じマンションの隣同士の部屋を2度も購入していることを紹介されるが、さらに意味深ぶりが深まる。
すごいぞ、「自身」。ツッコミまくり!
ともあれ、伊調選手に対するパワハラに関して、所管の林芳正文部科学相は「日本レスリング協会が伊調選手と栄氏から聞き取り調査を行う」と表明したが、そもそもパワハラの当事者がそれを認めることはないだろう。いや、栄氏はそうした認識すら持っていないのかもしれない。だから教え子と一度ならず結婚できる。
ちなみに2013年に発覚した女子柔道選手へのパワハラ事件は、当時の監督以下、全日本柔道連盟首脳陣が総退陣するまで至っている。
若い人にはあまり馴染みがないかもしれないが、千昌夫のまさかの不倫スキャンダルだ。若者は雑誌を買わず、よって購買層や読者層がどんどん高齢化する傾向にある雑誌界だが、70歳の熱愛スキャンダルが堂々と誌面を飾る。しかも、内容は千昌夫を知る世代にとってかなり面白いかも。
なにしろタイトルを見たとき“女性の趣味は変わらない”と失笑してしまったほど。千昌夫はこれまで2度結婚したが、そのお相手は両方外国人金髪女性。そして今回、不倫疑惑が浮上したのも金髪女性だというのだから。
だが、さらに笑ったのは、不倫相手とされる女性は外国出身ではなく、日本人だということ、つまり髪を金髪にしている日本女性なのだ。記事にも「驚いた」と感嘆する一方、「千のためなのだろうか……」と意地悪い。まあ、当然そう思う(笑)。そして「自身」は突っ込んだ。不倫相手とされる女性を直撃、こんな質問をしているのだ。
「千さんの前の奥さんもアマンダさん(現妻)も、金髪ですよね。よほど“金髪の女性”がお好きなのでしょうか?」
失礼で、下世話で、大きなお世話的質問だが、こうした記者のセンスは雑誌にとっては大切だと思う。そして思った。不倫も年季が入ってくるとバッシングされないのかも、と。
旬の女優・満島ひかりが所属事務所を辞めフリーとして活動していくと発表された。マスコミはことさら“円満独立”を強調していたが、嘘くさい。そして満島の独立を紹介した「自身」は、独立の理由を“子作り”だと報じている。バツイチの満島が“子作り独立”したとしても個人的にはなんら違和感はないが、広く世間的にはこれ、バッシングの一種だったりして。